ナキイナゴ

鳴稲子 (バッタ科)


ススキにとまる♂
2005/6/26 千葉市緑区
ナキイナゴ (バッタ科 ヒナバッタ亜科)
Mongolotettix japonicus  (Bolivar, 1898)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。 平地~低山地に汎く分布する。島嶼では隠岐から知られる。
県内: 一部の都市部を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、中国大陸、シベリアに分布する。
変異 形態: 亜種区分は認められていないが、北海道、東北地方産は頭頂突起が尖らない。♂は通常短翅型で、稀に長翅型があらわれるが、飛翔することはないものと考えられている。
季節:
性差: 異型。♂は通常短翅型、♀は退化し鱗片状になっている。また♀は通常♂の2倍程度の大きさとなる。色調は♂が黄褐色、♀はにぶい褐色であるが、稀に♀のような色彩の♂が出ることがある。
生態 環境: 草上性。丈の高いイネ科草本の繁茂する草原、林縁、荒蕪地など。明るくやや乾燥した、開けた環境を好む。
発生: 年1回。6月~9月上旬に見られる。
越冬:
行動: 昼行性。草本の茎などにとまり、♂は晴天時の日中、草茎などにつかまり、前翅側縁に後脚腿節をこすりつけて「シャカシャカ・・」と10音ほどよく通る乾いた音で鳴く。♀は不活発で、見かけることはあまり多くない。危険を感じるとくるりとすばやく反対側に回る習性がある。
食 性 食植性/イネ科雑草類を中心に多くの草本につく。
類似種: ヒザグロナキイナゴに似るが、県内には分布しない。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種。市街地でも見かけることがある。和名はよく発音する習性にちなむ。
天敵 捕獲: カマキリ類、スズメバチ類、アシナガバチ類、サシガメ類のほか、大型の徘徊性クモ類、造網性クモ類など。
寄生: アナバチ科のキアシハナダカバチモドキ(Stizus pulcherrimus  (F.Smith1856))、ジガバチ科のヌカダカバチ(Tachysphex nigricolor nigricolor  (Dalla Torre))が知られる。


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