ツマグロイナゴモドキ

端黒稲子もどき (バッタ科)


林縁のクズの葉上で休む♀
2004/7/11 富津市東大和田
ツマグロイナゴモドキ (バッタ科 トノサマバッタ亜科)
Stethophyna magister  (Rehn, 1902)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地に汎く分布する。島嶼では佐渡、沖縄本島から記録されている。
県内: 市街地を除き、ほぼ全域に棲息するが、県南部が中心。
国外: 朝鮮半島、中国大陸、シベリアに分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。個体変異も軽微。すべて長翅型で、短翅型は知られていない。
季節:
性差: 異型。♀はやや色調が濁った枯れ草色で、♂よりやや大きく、♂の翅端は♀より黒い。
生態 環境: 草上性。アシやカヤ、マコモ、オギなど、イネ科草本の繁茂する湿地や草原、林縁、水田など。草丈が高く、湿った草地で、やや暗い環境を好む。
発生: 年1回。7月~9月中旬に見られる。
越冬:
行動: 昼行性。♂は活発に飛翔するが、♀はやや不活発。♂はよく発音するが、かなりの高音で音域が狭いため、人間には非常に聞き取りにくい。♀は土中に腹端を挿し込んで産卵する。
食 性 食植性/イネ科雑草類を中心に多くの草本の葉につく。アシ、カヤ、マコモ、オギなど草丈の高いものを好む傾向がある。
類似種: イナゴモドキに似る。
保 護: 神奈川県:、群馬県:注目
その他: 和名は前翅端が黒いことに由来する。普通種。通常はそれほど個体数は多くないが、本種もトノサマバッタと同様に大発生することがあり、県内でも利根川河川敷でたびたび大発生している。
天敵 捕獲: カマキリ類、スズメバチ類、アシナガバチ類、サシガメ類のほか、大型の徘徊性クモ類、造網性クモ類など。
寄生: アナバチ科のキアシハナダカバチモドキ(Stizus pulcherrimus  (F.Smith1856))、ジガバチ科のヌカダカバチ(Tachysphex nigricolor nigricolor  (Dalla Torre))が知られる。


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