分布 |
国内: |
本土全域。平地~低山地を中心に汎く分布する。島嶼では伊豆諸島、小笠原諸島、対馬、種子島、屋久島、奄美大島、沖永良部島、沖縄本島、久米島、大東諸島、宮古島、石垣島、西表島、与那国島など、ほとんどの主要な島嶼に分布する。 |
県内: |
一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。 |
国外: |
朝鮮半島、中国大陸、台湾、フィリピン、東南アジア、東シベリア~欧州、アフリカ、豪州など旧世界のほとんどの地域に分布する。 |
変異 |
形態: |
従来地理的変異は認められていなかったが、近年本種を8亜種にわけ、日本産を中国大陸、フィリピン、セレベス、ボルネオ、マレーシアに分布する東南アジア亜種(ssp.manilensis )に含める説が主流となっている。♂♀共に緑色型、褐色型の色彩変異のほか、相変異が知られる。通常の緑色型や褐色型は孤独相と呼ばれているが、群生相として羽化すると、体色はすべて暗褐色~黒褐色で、頭部と胸部が発達し、
脚はやや短くなり、特に翅が著しく長大化する。 |
季節: |
知られていない。 |
性差: |
異型。外見上の形質の差はないが、一般に♀は♂よりはるかに大きい。 |
生態 |
環境: |
地上性。イネ科草本の繁茂する草原、林縁、荒蕪地など。明るくやや乾燥した、開けた環境を好む。 肥沃な土地よりやせた土地を好む傾向がある。 |
発生: |
年2回。6月~11月上旬に見られる。寒冷地では年1回。南西諸島では多化性で、周年発生する。 |
越冬: |
卵。 |
行動: |
昼行性。日中活発に飛翔 し、♂♀共によく発音する。摂食時以外はあまり草の上などには上らない。♂は差し出された棒切れを♀と間違えて抱きつく習性があり、近年防除の手段として注目されているという。 |
食 性 |
食植性/葉。イネ科・カヤツリグサ科草本を中心とする。群生相はとくにそれに限定されず、木本も含めて多くの植物を食べる。 |
類似種: |
♂はクルマバッタ、クルマバッタモドキの♀に似るが、体型が異なり、後翅に斑紋を欠く。 |
保 護: |
指定されていない。 |
その他: |
仮面ライダーのモデル(?)。別名「ダイミョウバッタ」。普通種で個体数も多い。県内での「飛蝗」現象は、香取郡笹川村須賀山で、明治20年と明治31年に記録されている。
また、国内では鹿児島県馬毛島での1986年10月の記録でが最も新しいものである。 |
天敵 |
捕獲: |
オオカマキリ、チョウセンカマキリなどの大型カマキリ類、大型の徘徊性クモ類、造網性クモ類など。 幼虫はこのほかスズメバチ類、アシナガバチ類、サシガメ類。 |
寄生: |
幼虫は、アナバチ科のキアシハナダカバチモドキ(Stizus pulcherrimus (F.Smith1856))、ジガバチ科のヌカダカバチ(Tachysphex nigricolor nigricolor (Dalla Torre))が知られる。 |