ニジュウヤホシテントウ

二十八星天道虫 (テントウムシ科)


ジャガイモの葉上で休む個体
2003/5/14 袖ケ浦市上宮田
ニジュウヤホシテントウ (テントウムシ科 マダラテントウ亜科 マダラテントウ族)
Epilachna vigintioctopunctata  (Fabricius, 1775)
分布 国内: 本州(関東以西)、四国、九州。 平地~低山地に汎く分布する。島嶼では壱岐、対馬、五島列島、屋久島、トカラ列島、奄美大島、徳之島、沖永良部、沖縄本島、慶良間群島、宮古、石垣、西表、与那国で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 台湾、中国大陸(華中~華南)、インドシナ~インド、ニューギニア、豪州に分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。前翅の斑紋に若干の個体変異がある。
季節:
性差: ほぼ同型。♀は♂よりやや大型だが、斑紋などには差がなく、個体差も大きいので、腹端を精査する必要がある。
生態 環境: 草上性。各種樹林の林縁、畑地、やや湿った草原など。比較的開けた環境を好む。
発生: 通常年2回。暖地では3回。4月~10月に見られる。
越冬: 幼虫成虫。成虫は樹皮下や朽木、岩の隙間など、幼虫は落ち葉の下などに潜りこんで越冬する。
行動: 昼行性。活動は不活発で動きは緩やかだが、飛翔することは多い。成虫は群生する傾向があり、食草に独特の食痕を残すので、姿を見なくても棲息することはわかる。
食 性 食植性/ナス科ナスジャガイモなどのほか、野生種も食べる。葉表から薄皮を残して葉肉のみを食べ、流水紋のような独特な食痕を残す。
類似種: オオニジュウヤホシテントウ、ヤマトアザミテントウに酷似する。
保 護: 指定されていない。
その他: 和名は斑紋に由来する。個体数は比較的多い。
天敵 捕獲: 成虫はムシヒキアブ類、クチブトカメムシ類のほか、造網性クモ類など。体液に苦い物質を含むため、鳥類は食べてもすぐに吐き出すことが多く、カマキリ類も好んでは捕食しない。
寄生: テントウムシヤドリコバチ、テントウムシヤドリコマユバチ 、ワタナベシロボソクロバチ、トビコバチ科(幼虫)、テントウムシヤドリバエ(卵)


オオニジュウヤホシテントウ

大二十八星天道虫 (テントウムシ科)


林縁で休む個体
2004/7/4 館山市大神宮(県立館山野鳥の森)
オオニジュウヤホシテントウ (テントウムシ科 マダラテントウ亜科 マダラテントウ族)
Epilachna vigintioctomaculata  Motschulsky, 1857
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。 平地~低山地に汎く分布する。島嶼では利尻、礼文、佐渡で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息するが、南部の丘陵地域に個体数が多い。
国外: 朝鮮半島、中国大陸(華北~華中)、東シベリア、千島に分布する。
変異 形態: 体型から北海道型、利尻型、本州型の3型に分けられるが亜種区分には至っていない。前翅の斑紋に若干の個体変異がある。
季節:
性差: ほぼ同型。♀は♂よりやや大型だが、斑紋などには差がなく、個体差も大きいので、腹端を精査する必要がある。
生態 環境: 草上性。各種樹林の林縁、畑地、やや湿った草原など。比較的開けた環境を好む。
発生: 通常年2回。暖地では3回。4月~10月に見られる。
越冬: 幼虫成虫。成虫は樹皮下や朽木、岩の隙間など、幼虫は落ち葉の下などに潜りこんで越冬する。
行動: 昼行性。活動は不活発で動きは緩やかだが、飛翔することは多い。成虫は群生する傾向があり、食草に独特の食痕を残すので、姿を見なくても棲息することはわかる。
食 性 食植性/ナス科ナスジャガイモなどのほか、野生種も食べる。葉表から薄皮を残して葉肉のみを食べ、流水紋のような独特な食痕を残す。
類似種: ニジュウヤホシテントウ、ヤマトアザミテントウに酷似する。
保 護: 指定されていない。
その他: 和名は斑紋に由来する。個体数は比較的多い。
天敵 捕獲: 成虫はムシヒキアブ類、クチブトカメムシ類のほか、造網性クモ類など。体液に苦い物質を含むため、鳥類は食べてもすぐに吐き出すことが多く、カマキリ類も好んでは捕食しない。
寄生: テントウムシヤドリコバチ、テントウムシヤドリコマユバチ 、ワタナベシロボソクロバチ、トビコバチ科(幼虫)、ヤドリバエ科のテントウムシヤドリバエ(卵)、ヒメクロナガハリバエ(Medina collaris (Fallen))などが知られる。


トホシテントウ

十星天道虫 (テントウムシ科)


林縁で休む個体
2001/7/20 木更津市中尾
トホシテントウ (テントウムシ科 マダラテントウ亜科 マダラテントウ族)
Epilachna admirabilis  Crotch, 1874
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼での記録はない。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 台湾、中国大陸(華中~華南)、インドシナ中央部に分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。前翅の斑紋に顕著な変異が知られ、体下面や各脚の色彩も変化に富んでいる。
季節:
性差: ほぼ同型。♀は♂よりやや大型だが、斑紋などには差がなく、個体差も大きいので、腹端を精査する必要がある。
生態 環境: 草上性。各種樹林とその林縁、畑地、公園など、やや薄暗い環境を好む。
発生: 年2回。6月~9月に見られる。
越冬: 幼虫成虫。成虫は樹皮下や朽木、岩の隙間など、幼虫は落ち葉の下などに潜りこんで越冬する。
行動: 昼行性。活動は不活発で動きは緩やかだが、飛翔することは多い。成虫は通常は分散し、群生することはほとんどない。
食 性 食植性/ウリ科カラスウリスズメウリのほかカボチャ、スイカ、キュウリなどほとんどの栽培種。
類似種:
保 護: 指定されていない。
その他: 和名は斑紋に由来する。普通種で個体数は比較的多い。
天敵 捕獲: 成虫はムシヒキアブ類、クチブトカメムシ類のほか、造網性クモ類など。体液に苦い物質を含むため、鳥類は食べてもすぐに吐き出すことが多く、カマキリ類も好んでは捕食しない。
寄生: テントウムシヤドリコバチ、テントウムシヤドリコマユバチ 、ワタナベシロボソクロバチ、トビコバチ科(幼虫)、テントウムシヤドリバエ(卵)


ヤマトアザミテントウ

大和薊天道虫 (テントウムシ科)


ジャガイモの葉を食べる個体
2002/5/10 袖ケ浦市吉野田
ヤマトアザミテントウ (テントウムシ科 マダラテントウ亜科 マダラテントウ族)
Epilachna niponica  Lewis, 1896
分布 国内: 北海道(渡島半島)、本州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼での記録はない。
県内: 房総半島南部を中心に分布する。
国外: 現在のところ日本特産種、国外での記録はない。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。前翅の斑紋に若干の個体変異が知られる。
季節:
性差: ほぼ同型。♀は♂よりやや大型だが、斑紋などには差がなく、個体差も大きいので、腹端を精査する必要がある。
生態 環境: 草上性。各種樹林とその林縁、畑地、公園など、やや薄暗い環境を好む。
発生: 年2回。6月~9月に見られる。
越冬: 幼虫成虫。成虫は樹皮下や朽木、岩の隙間など、幼虫は落ち葉の下などに潜りこんで越冬する。
行動: 昼行性。活動は不活発で動きは緩やかだが、飛翔することは多い。成虫は通常は分散し、群生することはほとんどない。
食 性 食植性/。通常はキク科アザミ類を食草とするが、県内及び東京西部、神奈川~静岡東部に分布する個体群はナス科ジャガイモナスイヌホオヅキなどを食草とする特異な一群である。
類似種: ニジュウヤホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウに酷似する。
保 護: 指定されていない。
その他: 和名は食草に由来する。個体数はそれほど多くないが、群生することがある。
天敵 捕獲: 成虫はムシヒキアブ類、クチブトカメムシ類のほか、造網性クモ類など。体液に苦い物質を含むため、鳥類は食べてもすぐに吐き出すことが多く、カマキリ類も好んでは捕食しない。
寄生:


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