カメノコテントウ

亀甲天道虫 (テントウムシ科)


ネコヤナギ樹上の個体
2003/5/5 千葉市緑区
カメノコテントウ (テントウムシ科 テントウムシ亜科 テントウムシ族)
Aiolocaria hexaspilota  (Hope, 1831)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。低山地~山地まで汎く分布する。島嶼では記録されていない。
県内: 市街地除き、汎く全域に棲息するが、やや局地的傾向を示す。
国外: 台湾、中国大陸(華南)、ヒマラヤ~インド北部に分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。斑紋は比較的安定しているが、稀に前翅が黒化する個体が現れる。
季節:
性差: ほぼ同型。♀は♂よりやや大型だが、斑紋などには差がなく、個体差も大きいので、腹端を精査する必要がある。
生態 環境: 樹上性。湿地林、渓畔林、河畔林などの広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁。
発生: 年1回。6月中旬~翌5月下旬。幼虫期間はおよそ2週間程度で、葉裏で蛹化する。
越冬: 成虫。岩の隙間やめくれた樹皮下などで集団越冬するが、他の成虫越冬性種と混在することも多い。
行動: 昼行性。飛翔は緩やかだが、活動は活発。クルミハムシの幼虫を探して盛んに歩き回る。捕まえると口から赤い液を出し、擬死する習性がある。
食 性 捕食性クルミハムシ、ドロノキハムシ、ヤナギハムシ、ヤナギルリハムシなどクルミやヤナギ類につくハムシの幼虫。
類似種:
保 護: 指定されていない。
その他: 大型種。和名は前翅の斑紋に由来する。普通種だが、個体数はそれほど多くない。甲虫を常食とするテントウムシは国内では本種のみ。
天敵 捕獲: 成虫はムシヒキアブ類、クチブトカメムシ類のほか、造網性クモ類など。体液に苦い物質を含むため、鳥類は食べてもすぐに吐き出すことが多く、カマキリ類も好んでは捕食しない。
寄生: テントウムシヤドリコバチ、テントウムシヤドリコマユバチ、トビコバチ科(幼虫)、テントウムシヤドリバエ(卵)


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