ベニカミキリ

紅髪切虫 (カミキリムシ科)


林縁で休息する♂ ハルジオンの花に来た♂
2002/4/14 袖ケ浦市下根岸 2003/5/12 袖ヶ浦市上宮田
ベニカミキリ (カミキリムシ科 カミキリ亜科 ベニカミキリ族)
Purpuricenus temminckii  (Guerin-Meneville, 1844)
分布 国内: 本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では佐渡、伊豆大島、隠岐、壱岐、対馬、五島列島(福江島)で記録されている。
県内: 市街地を除くほぼ全域に棲息する が、北部では稀。
国外: 朝鮮半島、中国大陸~インドシナ北部に分布する。標式産地は上海(中国)。
変異 形態: 地理的変異は知られていないが、前胸背板の黒色斑紋に個体変異が大きく、全体が黒色となる個体もある。
季節:
性差: ほぼ同型。♂は♀よりわずかに細身で、触角が♀よりやや長い。
生態 環境: 樹上性。竹林を伴う各種樹林とその林縁、谷津田周辺など、やや薄暗い環境を好む。幼虫は潜材性
発生: 年1回。4月~5月下旬に見られる。
越冬: 幼虫(非休眠)。材内で摂食しながら冬を越す。
行動: 昼行性。活動は活発だが、飛翔は緩やか。日中盛んに飛翔し、多くの花を訪れる。
食性 幼虫: 食植性/(枯木)。タケ科マダケモウソウチクハチクメダケなど。水田周辺にハサギとして使用するために積まれた古い竹にもつく。
成虫: 食植性/花蜜樹液。ナシ、ミカン類、ウツギ、イボタノキ、ハルジオン、ヒメジョオンなど多くの花に集まるほか、コナラ、クヌギ、ヤナギ類の樹液にも集まる。
類似種: ヘリグロベニカミキリに似る。また、前胸部の黒い個体は県内に分布しないムモンベニカミキリに似るが、本種の前胸部側縁には棘状突起があるので区別できる。
保 護: 千葉県:C
その他: 個体数は比較的少ない。和名は色彩に由来する。
天敵 捕獲: 成虫はムシヒキアブ類、カマキリ類のほか、造網性クモ類。幼虫は捕食性コメツキムシ類の幼虫、ヒラタムシ類、カッコウムシ類など。
寄生:


ヘリグロベニカミキリ

縁黒紅髪切虫 (カミキリムシ科)


林縁で静止する♀
2005/5/1 館山市大神宮(県立館山野鳥の森)
ヘリグロベニカミキリ (カミキリムシ科 カミキリ亜科 ベニカミキリ族)
Purpuricenus spectabilis  Motshculsky, 1857
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では佐渡、隠岐、対馬、五島列島(福江)、種子島、屋久島で記録されている。
県内: 市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、中国大陸に分布する。標式産地は静岡県下田市。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。前胸部と前翅の斑紋に個体変異がある。
季節:
性差: ほぼ同型。一般に♀は♂よりやや大型で、♂の触角は♀よりはるかに長い。
生態 環境: 樹上性。広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁。幼虫は潜材性
発生: 年1回。4月~6月に見られる。
越冬: 幼虫(非休眠)。
行動: 昼行性。活動は活発だが、飛翔は緩やか。日中盛んに飛翔し、多くの花を訪れる。
食性 幼虫: 食植性/。やや広食性の傾向を示す。イタヤカエデ(カエデ科)、センノキ、ヤツデ(ウコギ科)、ヌルデ(ウルシ科)、シロモジ(クスノキ科)などが知られる。
成虫: 食植性/花蜜ウツギイボタノキハルジオンヒメジョオンなど多くの花に集まる。
類似種: ベニカミキリに似るが、本種の前翅後半部にはは1対の黒色斑紋がある。ただ、ベニカミキリにおいてもこれをもつ個体があったり、本種でもこれを欠く個体がある。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種だが個体数はそれほど多くない。
天敵 捕獲: 成虫はムシヒキアブ類、カマキリ類のほか、造網性クモ類。幼虫は捕食性コメツキムシ類の幼虫、ヒラタムシ類など。
寄生:


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