スギカミキリ

杉髪切虫 (カミキリムシ科)


スギのめくれた樹皮下に潜む♀
2007/4/8 安房郡富山町合戸
スギカミキリ (カミキリムシ科 カミキリ亜科 スギカミキリ族)
Semanotus japonicus  (Lacordaire, 1869)
分布 国内: 本州、四国、九州(移入個体群?)。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では佐渡、隠岐、壹岐で記録されている。
県内: 市街地を除き、汎く全域に棲息するが、産地は局地的。
国外: 日本特産種?台湾での記録があるが、詳細不明。
変異 形態: 地理的変異は知られていないが、屋久島には近似の別種(ヤクスギカミキリS. yakushimensis  Makihara, 2004)を産する。色調と斑紋に顕著な個体変異があり、前翅の黄色斑紋が消失し、全体が黒色化する個体が出ることがある。
季節:
性差: ほぼ同型。一般に♂は♀より小型で、♂の触角は♀よりやや長い。
生態 環境: 樹上性。広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、社寺境内、公園のほか、伐採地や貯木場など。幼虫は潜材性
発生: 年1回。3月下旬~4月に見られる。
越冬: 幼虫(非休眠)・成虫。材内で摂食しながら冬を越すが、老熟幼虫は初冬には蛹化、羽化し、翌春まで蛹室内で休眠する。
行動: 夜行性。活動は比較的活発で、樹皮上を敏捷に歩行する。日中は食樹の樹めくれた皮下などに潜んで休息している。幼虫は樹皮直下の形成層を食い進み、特徴的な食痕を残す。スギ林内よりも独立したやや大きな樹を好み、好適な食樹には集中的な加害が見られ、枯死に至らしめることも少なくない。
食性 幼虫: 食植性/(形成層)。スギ科スギが主。稀にヒノキ科のヒノキやサワラにつくこともある。
成虫: 食植性と考えられるが詳細不明。
類似種:
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種だが、個体数はそれほど多くない。スギ人工林の害虫として著名。
天敵 捕獲: 成虫は大型のカマキリ類、大型サシガメ類のほか、大型造網性クモ類。幼虫は捕食性コメツキムシ類の幼虫、ヒラタムシ類、カッコウムシ類など。
寄生:


メイン