トゲヒゲトラカミキリ

棘髭虎髪切虫 (カミキリムシ科)


ウツギの花に飛来した♂
2002/5/13 袖ケ浦市吉野田
トゲヒゲトラカミキリ (カミキリムシ科 カミキリ亜科 トラカミキリ族)
Demonax (Demonax) transilis  Bates, 1884
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地に汎く分布する。島嶼では奥尻、佐渡、隠岐、壱岐、対馬、五島列島(福江)、屋久島などで記録されている。
県内: 市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 現在のところ日本特産種。標式産地は「静岡、日光、横浜」とされる。
変異 形態: 地理的変異は認められていない。触角の棘状突起の長さに個体変異がある。
季節:
性差: ほぼ同型。♂は♀より若干小型で、触角が♀よりやや長い。
生態 環境: 樹上性。里山、二次林など広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、伐採地や周辺の貯木場など。幼虫は潜材性
発生: 年1回。4月~6月に見られる。
越冬: 幼虫(非休眠)。材内で摂食しながら冬を越す。
行動: 昼行性。活動は活発で、行動は敏捷。日中盛んに飛翔し、多くの花を訪れるほか、発生後期には伐採地などで、産卵に来る♀を待ちうける♂が多く見られる。
食性 幼虫: 食植性/(枯木)。広食性。ブナ科のコナラ、クヌギ、アベマキのほか、トチノキ(トチノキ科)、アセビ(ツツジ科)、センノキ(ウコギ科)などの広葉樹のほか、スギ(スギ科)などにもつく。
成虫: 食植性/花蜜。カエデ類、ウワミズザクラ、イヌザクラ、ウツギ、クリ、イボタノキ、ノイバラ、ガマズミ、ノリウツギなど白色系の多くの花で吸蜜する。
類似種: クロトラカミキリ、ヒメクロトラカミキリに似る。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種。個体数も多い。県内でもっとも普通に見られるトラカミキリ類のひとつ。
天敵 捕獲: 成虫はムシヒキアブ類、カマキリ類のほか、造網性クモ類。幼虫は捕食性コメツキムシ類の幼虫、ヒラタムシ類、カッコウムシ類など。
寄生:


キイロトラカミキリ

黄色虎髪切虫 (カミキリムシ科)


貯木場で♀を探す♂
2002/6/14 木更津市伊豆島
キイロトラカミキリ 原名亜種 (カミキリムシ科 カミキリ亜科 トラカミキリ族)
Demonax (Grammographus) notabilis notabilis  (Pascoe, 1862)
分布 国内: 本州、四国、九州。平地~山地に汎く分布する。島嶼では対馬、屋久島で記録されている。
県内: 南部を中心に、市街地を除く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、中国大陸(華中・華南・西部)、台湾に分布する。本亜種は他に朝鮮半島、台湾、中国大陸(華中・華南)産を含み、標式産地は「日本」とのみ記される。
変異 形態: 国内での地理的変異は知られていないが、前翅の黒斑に若干の個体変異がある。
季節:
性差: ほぼ同型。♂は♀よりわずかに細身で、触角が♀よりやや長い。
生態 環境: 樹上性。里山、二次林など広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、伐採地や周辺の貯木場など。幼虫は潜材性
発生: 年1回。5月末~7月上旬に見られる。発生はかなり斉一的。
越冬: 幼虫(非休眠)。材内で摂食しながら冬を越す。
行動: 昼行性。活動は活発で、行動は敏捷。日中盛んに飛翔し、多くの花を訪れるほか、発生後期には伐採地などで、産卵に来る♀を待ちうける♂が多く見られる。
食性 幼虫: 食植性/(枯木・生木)。広食性。ブナ科のコナラ、クヌギ、ミズナラ(ナラ類)やカシ類の枯木や伐木、カバノキ科ハンノキ類、クルミ科オニグルミなどの生枝のほかスギ(スギ科)などにもつく。
成虫: 食植性/花蜜。ウツギ、クリ、イボタノキ、セリ、シシウド、ノイバラ、ガマズミ、ノリウツギなど多くの花で吸蜜する。
類似種: カンボウホソトラカミキリ、カギモンミドリトラカミキリに似る。
保 護: 神奈川県:
その他: 普通種。通常は個体数はそれほど多くないが、ときに大発生することがある。
天敵 捕獲: 成虫はムシヒキアブ類、カマキリ類のほか、造網性クモ類。幼虫は捕食性コメツキムシ類の幼虫、ヒラタムシ類、カッコウムシ類など。
寄生:


メイン