ニレハムシ

楡葉虫 (ハムシ科)


ニレ類の葉表で静止する個体と食痕
2004/7/4 館山市大神宮(県立館山野鳥の森)
ニレハムシ (ハムシ科 ヒゲナガハムシ亜科)
Luperomorpha funesta  (Baly, 1874)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では佐渡、五島列島で記録されている。
県内: 市街地を含め、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、中国大陸(華北・東北部)、東シベリアに分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。斑紋と色調にやや顕著な個体変異がある。
季節:
性差: ほぼ同型。♀は一般的に♂よりやや大きい。
生態 環境: 樹上性。広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、公園、果樹園、畑地など。都市部にも進出している。
発生: 年1回。越冬成虫が4月下旬~6月上旬、新成虫は7月頃姿を見せるが、10月頃には越冬のため姿を消す。
越冬: 成虫。
行動: 昼行性。飛翔は緩やかで、活動はあまり活発でない。産卵は食樹の葉表に行われ、2列~3列に並べて15個~30個程度産付する。幼虫は単独で生活し、蛹化は土中で行われる。
食 性 食植性/ニレ科ケヤキアキニレハルニレなどのニレ類。
類似種:
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種で個体数も多い。
天敵 捕獲: 成虫はムシヒキアブ類、クチブトカメムシ類、カマキリ類のほか、徘徊性クモ類、造網性クモ類。幼虫はカマキリ類、クチブトカメムシ類、アシナガバチ類など。
寄生:


アカタデハムシ

赤蓼葉虫 (ハムシ科)


岩上で静止する個体
2005/4/24 館山市大神宮(県立館山野鳥の森)
アカタデハムシ (ハムシ科 ヒゲナガハムシ亜科)
Pyrrhalta semifulva  (Jacoby, 1885)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~低山地が分布の中心。島嶼では利尻、佐渡、対馬、屋久島で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 台湾、中国大陸、シベリアに分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていないが、斑紋に顕著な個体変異がある。
季節:
性差: ほぼ同型。♀は一般的に♂よりやや大きい。
生態 環境: 樹上性。広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、果樹園、公園など。
発生: 年1回。越冬成虫が4月中旬~5月、新成虫は7月~8月に見られる。
越冬: 成虫
行動: 昼行性。飛翔は緩やかで、活動はあまり活発でない。林縁のサクラ類の葉上で静止している姿を見ることが多い。越冬成虫は4月下旬から5月にかけて、食樹の葉肉に埋め込むように産卵する。終齢幼虫は3齢、蛹化は地中で行われる。
食 性 食植性/バラ科サクラ類ナナカマドクサボケなど。
類似種:
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種で個体数も多い。
天敵 捕獲: 成虫はムシヒキアブ類、クチブトカメムシ類、カマキリ類のほか、徘徊性クモ類、造網性クモ類。幼虫はカマキリ類、クチブトカメムシ類、アシナガバチ類など。
寄生:


サンゴジュハムシ

珊瑚樹葉虫 (ハムシ科)


休息する♂
2004/6/15 千葉市緑区
サンゴジュハムシ (ハムシ科 ヒゲナガハムシ亜科)
Pyrrhalta humeralis  (Chen, 1942)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では佐渡、対馬など。
県内: 市街地を含め、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、中国大陸、東シベリア、台湾に分布する。 標式産地は中国。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。個体変異も軽微。
季節:
性差: ほぼ同型。♀は一般的に♂よりやや大きい。特に♀の成熟個体は腹部が非常に大きくなるので区別しやすい。
生態 環境: 里山、二次林など広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、公園、社寺境内、人家の庭など。
発生: 年1回。5月~10月に見られるが、暖地では盛夏に一時休眠する。
越冬:
行動: 昼行性。活動は比較的活発で、盛んに飛翔する。産卵は9月~10月ごろに行われる。卵は食樹の小枝の基部を小さくかじりとり、そこに卵塊で産み付けられるが、卵塊は褐色分泌物で厚く覆われている。越冬後3月下旬頃から孵化を初め、幼虫期間は20日~30日ほど。蛹化は土中で行われ、羽化した新成虫は直ちに野外に出る。幼虫は食樹の葉表からぽつぽつと孔を開けるように食べ、老熟幼虫と成虫は葉脈を残す。
食 性 食植性/スイカズラ科ガマズミサンゴジュオトコヨウゾメゴマキなどのガマズミ類のほか、オオデマリなど。
類似種: ブタクサハムシに似るが、斑紋が異なり、触角は全体が黒褐色。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種。個体数も多い。
天敵 捕獲: 成虫はムシヒキアブ類、クチブトカメムシ類、カマキリ類のほか、徘徊性クモ類、造網性クモ類。幼虫はカマキリ類、クチブトカメムシ類、アシナガバチ類など。
寄生:


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