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蛹室内で越冬する個体 | ||
2007/2/10 君津市香木原 |
ウバタマコメツキ (コメツキムシ科 コメツキ亜科 サビキコリ族) |
Cryptalaus berus (Candeze, 1865) |
分布 | 国内: | 本州、四国、九州。平地~山地に分布する。島嶼では伊豆諸島(三宅・八丈)、隠岐、対馬、壱岐、五島列島、種子島、屋久島、口永良部、トカラ列島(中之島・宝島)、奄美大島、徳之島、沖縄本島、与那国、南大東島で記録されている。 |
県内: | 市街地を除き汎く全域に棲息するが、産地はやや局地的。 | |
国外: | 台湾、ベトナム・ラオスに分布する。 | |
変異 | 形態: | 地理的変異は知られていないが、近畿以西の本州、四国、九州には近似の別種オオウバタマコメツキ(C. yamato (Nakane, ))が分布する。また、色調に若干の、大きさに比較的顕著な個体変異がある。 |
季節: | - | |
性差: | ほぼ同型。♀は♂よりやや大きいが、個体差もあるため、野外での識別は難しい。 | |
生態 | 環境: | 樹上性。針葉樹を中心とする各種樹林とその林縁など。幼虫・蛹は潜材性。南部ではオオフタモンウバタマコメツキと混生することもあるが、本種のほうが普遍的。 |
発生: | 年1回。4月~8月に見られる。幼虫期間は長く、数年を必要とする。また、成虫も比較的長い寿命をもつ。 | |
越冬: | 幼虫・成虫。幼虫は樹皮下もしくは材内で、成虫は立枯れたマツなどの樹皮下に潜り込み、単独越冬する。 | |
行動: | 主に夜行性。飛翔は比較的緩やか。活動は比較的活発だが、行動はやや緩慢である。幼虫は立ち枯れたマツ類の樹皮下に潜むが、十分に成長すると樹皮と材の隙間に木屑で周囲を固めた楕円形の蛹室をつくり、その中の蛹化、羽化する。晩秋に羽化した新成虫はそのまま蛹室で越冬し、翌春に野外に出る。 | |
食性 | 幼虫: | 捕食性/生体。立ち枯れたアカマツ、クロマツなどの樹皮下に潜み、その中にいる他の甲虫類の幼虫や蛹を捕らえる。 |
成虫: | 詳細不明。 | |
類似種: | 同属のオオウバタマコメツキに似るが、県内には分布しない。 | |
保 護: | 神奈川県:V。 | |
その他: | フタモンウバタマコメツキと並ぶ国内最大級のコメツキムシ。普通種だが個体数はそれほど多くない。和名は色調や斑紋が「烏羽玉」という菓子に似ることに由来する。 | |
天敵 | 捕獲: | 成虫はムシヒキアブ類、クチブトカメムシ類のほか、徘徊性クモ類、造網性クモ類。幼虫はヒラタムシ類など。 |
寄生: | - |
コメツキムシ科 | 生態 | 幼生 | 飼育 | トップ |
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立ち枯れたマツの樹皮下で越冬する個体 | ||
2007/2/10 君津市香木原 |
オオフタモンウバタマコメツキ日本亜種 (コメツキムシ科 コメツキ亜科 サビキコリ族) |
Cryptalaus larvatus pini (Lewis, 1894) |
分布 | 国内: | 本州、四国、九州。平地~山地に分布する。島嶼では伊豆諸島(式根・神津・三宅・御蔵)、小笠原、隠岐、対馬、壱岐、五島列島、屋久島、沖縄諸島で記録されている。 |
県内: | 房総丘陵地域の山間部が中心で、産地はやや局地的。 | |
国外: | 台湾、中国大陸、ベトナムに分布し、これが原名亜種となる。本亜種は日本固有。 | |
変異 | 形態: | 小笠原、沖縄諸島産は原名亜種に含められている。本土地域における地理的変異は知られていないが、大きさに比較的顕著な個体変異がある。 |
季節: | - | |
性差: | ほぼ同型。♀は♂よりやや大きいが、個体差もあるため、野外での識別は難しい。 | |
生態 | 環境: | 樹上性。針葉樹を中心とする各種樹林とその林縁など。幼虫・蛹は潜材性。同属のウバタマコメツキと混生することも多いが、本種のほうが局地的。 |
発生: | 年1回。4月~8月に見られる。幼虫期間は長く、数年を必要とする。また、成虫も比較的長い寿命をもつ。 | |
越冬: | 幼虫・成虫。幼虫は樹皮下あるいは材内で、成虫は立枯れたマツなどの樹皮下に潜り込み、単独越冬するが、数頭が集まることもある。 | |
行動: | 主に夜行性。飛翔は比較的緩やか。活動は比較的活発だが、行動はやや緩慢である。幼虫は立ち枯れたマツ類の樹皮下に潜むが、十分に成長すると樹皮と材の隙間に木屑で周囲を固めた楕円形の蛹室をつくり、その中の蛹化、羽化する。晩秋に羽化した新成虫はそのまま蛹室で越冬し、翌春に野外に出る。 | |
食性 | 幼虫: | 捕食性/生体。立ち枯れたアカマツ、クロマツなどの樹皮下に潜み、その中にいる他の甲虫類の幼虫や蛹を捕らえる。 |
成虫: | 詳細不明。 | |
類似種: | 同属のウバタマコメツキに似るが斑紋が異なる。 | |
保 護: | 千葉県:D、神奈川県:En。 | |
その他: | ウバタマコメツキと並ぶ国内最大級のコメツキムシ。個体数は多くない。和名は前翅両側縁の褐色斑紋に由来する。 | |
天敵 | 捕獲: | 成虫はムシヒキアブ類、クチブトカメムシ類のほか、徘徊性クモ類、造網性クモ類。幼虫はヒラタムシ類など。 |
寄生: | - |
コメツキムシ科 | 生態 | 幼生 | 飼育 | トップ |