分布 |
国内: |
本州、四国、九州。平地~低山地に汎く分布する。島嶼では伊豆諸島、対馬、南西諸島全域。 |
県内: |
市街地を除き、汎く全域に棲息するが、やや局地的な傾向がある。比較的低平地に多い。 |
国外: |
朝鮮半島、台湾、中国大陸南部~ベトナム、フィリピンに分布する。 |
変異 |
形態: |
南西諸島を中心に多くの亜種に分けられる。対馬(ssp. castanicolor (Motsculsky, 1861))、吐喝喇宝島(ssp.takaraensis (Fujita et Ichikawa, 1985))、奄美大島(ssp. elegans (Boileau, 1899))、徳之島(ssp. tokunoshimaensis (Fujita et Ichikawa, 1985))、沖永良部(ssp. okinoerabuensis (Fujita et Ichikawa, 1985))、大東諸島(ssp. daitoensis (Fujita et Ichikawa, 1986))、八重山諸島(ssp. sakishimanus (Nomura, 1964))などが知られる。他に奄美諸島、対馬にはそれぞれ近似の別種を産する。♂の個体の大小による差は比較的小さく、小型の個体で第1内歯より先の小歯が消失する程度。 |
季節: |
- |
性差: |
異型。一般に♂の大顎は大きく、♀は小さい。 |
生態 |
環境: |
樹上性。クヌギ-コナラ林(落葉広葉樹林)が分布の中心だが、スダジイ林(照葉樹林)や山地のブナ林などにも棲息し、また放置された休耕田などに発生したヤナギ類などにもよく集まる。幼虫は潜材性。各種広葉樹の朽木にトンネルを掘り、その中で暮らす。 |
発生: |
年1回。5月~10月に見られる。サイクルは2年1越型。幼虫で2回越冬し、3年目の夏に蛹化し成虫で越冬、孵化から4年目の夏に活動を開始する。ただし、環境によっては幼虫期間が1年に短縮されることもある。 |
越冬: |
幼虫(非休眠)・成虫。成虫で最長3年程生存することが知られている。 |
行動: |
夜行性。日中は木の洞などに隠れていてほとんど活動しない。日没以降に活動を開始して夜間に樹液に集まるほか、灯火にも飛来する。♀は産卵時に大きな産卵痕を残す。 |
食性 |
幼虫: |
食植性/朽木。ブナ科コナラ属のクヌギ、コナラ、ミズナラ(ナラ類)、アカガシ、アラカシ、シラカシ(カシ類) 、シイ類のほか、バラ科サクラ類、ヤナギ科ヤナギ類などの広葉樹が主体だが、稀にアカマツなどの針葉樹も食べることがあるという。 |
成虫: |
食植性/樹液。クヌギやコナラ、ミズナラ(ナラ類)、アカガシ、アラカシ、シラカシ(カシ類)、ヤナギ類に集まるが、特に低平地のヤナギ類を好む。 |
類似種: |
小型の♂はコクワガタに似るが 、内歯の形状が異なる。 |
保 護: |
千葉県:B、東京都:C(北多摩・南多摩)、栃木:C、群馬:VU。 |
その他: |
県内の産地はほとんどが低平地もしくは河川周辺に集中している。ただ、多産することはほとんどなく、個体数は少ない。 |
天敵 |
捕獲: |
造網性クモ類。幼虫は捕食性コメツキムシ類幼虫、ヒラタムシ類、ハサミムシ類など。 |
寄生: |
- |