マメコガネ

豆黄金虫 (コガネムシ科)


ヤブガラシにとまる通常型 ヤブガラシにとまる褐色型
2001/7/10 木更津市菅生 2002/7/27 千葉市緑区
マメコガネ (コガネムシ科 スジコガネ亜科 スジコガネ族 マメコガネ亜族)
Popillia japonica  Newmann, 1844
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。 島嶼では国後、佐渡、隠岐、対馬、壱岐、五島列島、男女群島、甑島列島、屋久島、石垣島。石垣島へは近年定着した。
県内: 都市部を含め、全域に汎く棲息する。
国外: 朝鮮半島に分布する。北米大陸へは外来種として定着している。基産地は日本。
変異 形態: 地理的変異は知られていないが、沖縄諸島には近似の別種であるオキナワマメコガネ(P. lewisi  Arrow, 1913)を産する。やや顕著な個体変異があり、前胸背板が褐色になる場合があるほか、全体が緑化する個体もいる。
季節:
性差: ほぼ同型。♂は触角の鰓状部が長い。♀は一般に♂より大型。
生態 環境: 草上性。各種樹林とその林縁、草原、公園、畑地、果樹園、社寺境内、人家の庭など比較的開けた環境を好む。幼虫は地中性
発生: 年1回。5月~8月に見られる。
越冬: 幼虫(非休眠)。
行動: 昼行性。夜間は地上の落ち葉の隙間などに潜んでおり、燈火に飛来することはない。成虫には若干の群集性がある。
食性 幼虫: 食植性/スギ科スギヒノキ科ヒノキサワラなどの針葉樹の若木や苗木を好む。
成虫: 食植性/広食性。特にマメ科(ダイズ、アズキ、落花生)、ブドウ科(ヤブガラシ、ノブドウ、エビヅル)、ブナ科(コナラ、クヌギ)、アカバナ科(マツヨイグサ類)で見かけることが多い。
類似種:
保 護: 東京都:UK(伊豆諸島)
その他: 普通種。個体数も多い。北米大陸ではマメ類の大害虫として知られ、"Japanese Beatle"と呼ばれて恐れられている。
天敵 捕獲: 成虫はオオイシアブ、シオヤムヒキなどの大型ムシヒキアブ類、造網性クモ類、幼虫は各種オサムシ類、アオゴミムシなどの捕食性ゴミムシ類。
寄生: 成虫はマメコガネヤドリバエ(Istochaeta aldrichi)、スジコガネヤドリバエ(I. rhombonicus)、キイロコガネヤドリバエ(Ochromeigenia oramioides)、幼虫はシュツェニクバエ(Kramerea schuetzei)、クサニクバエ(Parasarcophaga harpax)のほか、汎くコガネムシ類全般の幼虫に寄生するヒメハラナガツチバチ(Compsomeris annulata)、マメコガネツチバチ(Tiphia popilliavora)、ハルクロツチバチ(T. vernalis)、チョウセンツチバチ(T. koreana)、オオモンツチバチ(Scolia japonica)、シオヤムシヒキ(Promachus yesonicus)などが知られる。


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