コガネムシ

黄金虫 (コガネムシ科)


ヒメムカシヨモギにとまる個体
2003/6/5 木更津市茅野
コガネムシ (コガネムシ科 スジコガネ亜科 スジコガネ族 スジコガネ亜族)
Mimela splendens  (Gyllenhal, 1817)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地に汎く分布する。島嶼では佐渡、隠岐、壱岐。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、中国大陸(華中・華南)、シベリア(東部)、台湾、インドシナ~インドに分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。色調にやや顕著な個体変異を示し、赤化型(var. corusucus Heyden, 1887)や青色型(var. cyanicollis Ohaus, 1915)、紫黒色型(var. takamurai Sawano et Kometani, 1939)などが知られる。
季節:
性差: ほぼ同型。♂は触角の鰓状部が長い。♀は一般に♂より大型。
生態 環境: 樹上性。広葉樹を中心とした各種樹林とその林縁、公園、社寺境内、果樹園など。幼虫は地中性
発生: 年1回。6月~7月に見られる。サイクルは1年1越型で、卵~成虫までは1年~2年。
越冬: 幼虫(非休眠)。
行動: 昼行性。夜間は地上の落ち葉の隙間などに潜みじっとしている。燈火に飛来することはない。
食性 幼虫: 食植性/広食性。各種広葉樹のほか針葉樹も食べる。
成虫: 食植性/広食性。ブナ科コナラ属のクヌギ、コナラ、ミズナラ、バラ科サクラ類、ニレ科のエノキ、ケヤキ、ニレ類などの広葉樹を好むが、草本にもつく。
類似種: ヒメコガネに酷似する。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種。個体数も多い。
天敵 捕獲: 成虫はオオイシアブ、シオヤムヒキなどの大型ムシヒキアブ類、造網性クモ類、幼虫は各種オサムシ類、アオゴミムシなどの捕食性ゴミムシ類。
寄生: 成虫はスジコガネヤドリバエ(Istochaeta rhombonicus)、幼虫はシュツェニクバエ(Kramerea schuetzei)、クサニクバエ(Parasarcophaga harpax)のほか、汎くコガネムシ類全般の幼虫に寄生するヒメハラナガツチバチ(Compsomeris annulata)、マメコガネツチバチ(Tiphia popilliavora)、ハルクロツチバチ(T. vernalis)、チョウセンツチバチ(T. koreana)、オオモンツチバチ(Scolia japonica)、シオヤムシヒキ(Promachus yesonicus)などが知られる。


ヒメスジコガネ

姫条黄金虫 (コガネムシ科)


エノキの葉にとまる個体
2002/7/12 木更津市菅生
ヒメスジコガネ (コガネムシ科 スジコガネ亜科 スジコガネ族 スジコガネ亜族)
Mimela flavilabris  (Waterhouse, 1875)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。低山地~山地まで汎く分布するがやや山地性の傾向がある。島嶼では国後島からのみ記録されている。
県内: 市街地を除き、房総丘陵を中心として、ほぼ全域に分布する。
国外: 朝鮮半島に分布する。基産地は日本。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。色調に比較的顕著な個体変異を示し、(var. cuprifulgens Ohaus, 1915)や(var. sculpticollis Ohaus, 1915)などが知られる。
季節:
性差: ほぼ同型。♂は触角の鰓状部が長い。♀は一般に♂より大型。
生態 環境: 樹上性。広葉樹を中心とした各種樹林とその林縁、公園、社寺境内、果樹園など。幼虫は地中性
発生: 年1回。6月~8月に見られる。サイクルは1年1越型で、卵~成虫までは1年~2年。
越冬: 幼虫(非休眠)。
行動: 夜行性。日中は樹上でじっとしている。日没後に活発に飛翔し、燈火に飛来することも多い。
食性 幼虫: 食植性/広食性。各種広葉樹のほか針葉樹も食べる。
成虫: 食植性/広食性。ブナ科コナラ属のクヌギ、コナラ、ミズナラ、バラ科サクラ類、ニレ科のエノキ、ケヤキ、ニレ類などの広葉樹を好むが、草本にもつく。
類似種: スジコガネ亜族各種に似る。前胸部背板中央の縦溝と側部のくぼみは非常に明瞭で、前翅の縦隆線は比較的はっきりしている。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種。個体数も多い。
天敵 捕獲: 成虫はオオイシアブ、シオヤムヒキなどの大型ムシヒキアブ類、造網性クモ類、幼虫は各種オサムシ類、アオゴミムシなどの捕食性ゴミムシ類。
寄生: 成虫はスジコガネヤドリバエ(Istochaeta rhombonicus)、幼虫はシュツェニクバエ(Kramerea schuetzei)、クサニクバエ(Parasarcophaga harpax)のほか、汎くコガネムシ類全般の幼虫に寄生するヒメハラナガツチバチ(Compsomeris annulata)、マメコガネツチバチ(Tiphia popilliavora)、ハルクロツチバチ(T. vernalis)、チョウセンツチバチ(T. koreana)、オオモンツチバチ(Scolia japonica)、シオヤムシヒキ(Promachus yesonicus)などが知られる。


ツヤスジコガネ

艶条黄金虫 (コガネムシ科)


燈火に飛来した個体
2005/7/9 市原市大久保
ツヤスジコガネ (コガネムシ科 スジコガネ亜科 スジコガネ族 スジコガネ亜族 )
Mimela difficilis  (Waterhouse, 1875)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。併置~山地まで汎く分布する。島嶼での記録はない。
県内: 市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 現在のところ日本特産種。国外では記録されていない。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。個体変異も軽微。
季節:
性差: ほぼ同型。外見での区別は困難。
生態 環境: 広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、公園、社寺境内など。
発生: 年1回。7月~9月に見られる。
越冬: 幼虫。土中で越冬するが非休眠。
行動: 夜行性。燈火に飛来することも多い。活動は活発で、飛翔は比較的敏速。
食性 幼虫: 食植性/広食性。各種広葉樹のほか針葉樹も食べる。
成虫: 食植性/広食性。ブナ科コナラ属のクヌギ、コナラ、ミズナラ、バラ科サクラ類、ニレ科のエノキ、ケヤキ、ニレ類などの広葉樹を好むが、草本にもつく。
類似種:
保 護: 東京都:
その他: 普通種で個体数も多い。
天敵 捕獲: 成虫はオオイシアブ、シオヤムヒキなどの大型ムシヒキアブ類、造網性クモ類、幼虫は各種オサムシ類、アオゴミムシなどの捕食性ゴミムシ類。
寄生: 成虫はスジコガネヤドリバエ(Istochaeta rhombonicus)、幼虫はシュツェニクバエ(Kramerea schuetzei)、クサニクバエ(Parasarcophaga harpax)のほか、汎くコガネムシ類全般の幼虫に寄生するヒメハラナガツチバチ(Compsomeris annulata)、マメコガネツチバチ(Tiphia popilliavora)、ハルクロツチバチ(T. vernalis)、チョウセンツチバチ(T. koreana)、オオモンツチバチ(Scolia japonica)、シオヤムシヒキ(Promachus yesonicus)などが知られる。


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