サクラコガネ

桜黄金虫 (コガネムシ科)


林縁で静止する個体
2007/8/1 佐倉市城内町(国立歴史民俗博物館くらしの植物苑)
サクラコガネ (コガネムシ科 スジコガネ亜科 スジコガネ族)
Anomala daimiana  Harold, 1887
分布 国内: 北海道,本州,四国,九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では屋久島で記録されている。
県内: 一部の市街地を除くほぼ全域に棲息する。
国外: 中国大陸に分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。色調に比較的顕著な個体変異がある。
季節:
性差: ほぼ同型。♀は一般的に♂よりやや大きい。
生態 環境: 樹上性。広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、公園、社寺境内など。幼虫・蛹は地中性
発生: 年1回。5月~8月に見られる。
越冬: 幼虫
行動: 夜行性。燈火に飛来することも多い。日中は樹上の葉裏などで休息している。
食性 食植性/(成虫)・(幼虫)。ブナ科コナラ属クヌギコナラミズナラバラ科サクラ類などの広葉樹を好む。
類似種:
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種で個体数も多い。
天敵 捕獲: 成虫はムシヒキアブ類、クチブトカメムシ類、カマキリ類のほか、徘徊性クモ類、造網性クモ類。
寄生: 成虫はスジコガネヤドリバエ(Istochaeta rhombonicus)、幼虫はシュツェニクバエ(Kramerea schuetzei)、クサニクバエ(Parasarcophaga harpax)のほか、汎くコガネムシ類全般の幼虫に寄生するヒメハラナガツチバチ(Compsomeris annulata)、マメコガネツチバチ(Tiphia popilliavora)、ハルクロツチバチ(T. vernalis)、チョウセンツチバチ(T. koreana)、オオモンツチバチ(Scolia japonica)、シオヤムシヒキ(Promachus yesonicus)などが知られる。


ヒメサクラコガネ

姫桜黄金虫 (コガネムシ科)


クヌギの葉を食べる個体
2002/7/6 千葉市緑区
ヒメサクラコガネ (コガネムシ科 スジコガネ亜科 スジコガネ族 スジコガネ亜族)
Anomala geniculata  (Motsculsky, 1866)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では佐渡、伊豆諸島(新島~御蔵)、五島列島、屋久島。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、中国大陸(華中・華北)に分布する。基産地は日本。
変異 形態: 地理的変異、個体変異共に知られていない。
季節:
性差: ほぼ同型。♂は触角の鰓状部が長い。♀は一般に♂より大型。
生態 環境: 樹上性。広葉樹を中心とする各種樹林やその林縁、公園、社寺境内など。幼虫は地中性
発生: 年1回。6月~8月上旬に見られる。
越冬: 幼虫(非休眠)。
行動: 夜行性。日中は樹上でじっとしている。日没後に活発に飛翔し、燈火に飛来することも多い。
食性 食植性/(成虫)・(幼虫)。ブナ科コナラ属クヌギコナラミズナラバラ科サクラ類などの広葉樹を好む。
類似種: サクラコガネに似る。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種。個体数も多い。
天敵 捕獲: 成虫はオオイシアブ、シオヤムヒキなどの大型ムシヒキアブ類、造網性クモ類、幼虫は各種オサムシ類、アオゴミムシなどの捕食性ゴミムシ類。
寄生: 成虫はスジコガネヤドリバエ(Istochaeta rhombonicus)、幼虫はシュツェニクバエ(Kramerea schuetzei)、クサニクバエ(Parasarcophaga harpax)のほか、汎くコガネムシ類全般の幼虫に寄生するヒメハラナガツチバチ(Compsomeris annulata)、マメコガネツチバチ(Tiphia popilliavora)、ハルクロツチバチ(T. vernalis)、チョウセンツチバチ(T. koreana)、オオモンツチバチ(Scolia japonica)、シオヤムシヒキ(Promachus yesonicus)などが知られる。


ヒラタアオコガネ

扁青黄金虫 (コガネムシ科)


ヤエムグラにとまる個体
2003/4/29 千葉市緑区(昭和の森)
ヒラタアオコガネ (コガネムシ科 スジコガネ亜科 スジコガネ族 スジコガネ亜族)
Anomala octiescostata  Burmeister, 1844
分布 国内: 本州(中部以南)、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では壱岐、五島列島、甑島列島、種子島、屋久島。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、済州島(?)、中国大陸(?)。基産地は日本。
変異 形態: 地理的変異、個体変異共に知られていない。
季節:
性差: ほぼ同型。♂は触角の鰓状部が長い。♀は一般に♂より大型。
生態 環境: 草上性。各種樹林の林縁、草原、畑地、公園、湿地周辺など。比較的開けた環境を好む。幼虫は地中性
発生: 年1回。4月~6月にみられる。
越冬: 幼虫(非休眠)。
行動: 昼行性。成虫にはやや群集性が認められ、集団で植物の葉を食べる様子を見かけることが多い。♂は地表近くを群飛して♀の出現を待つ。活動はほとんどの場合午前中であり、夕刻には地表の落葉などに潜りこむため、燈火に飛来することはない。
食性 幼虫: 食植性/広食性で様々な植物を利用するが、イネ科草本につくことが多い。
成虫: 食植性/花粉広食性で様々な植物を利用するが、ヤエムグラ(アカネ科)に群生することが多い。
類似種: スジコガネ亜族各種に似る。胸部~腹部の側縁には灰白色の長毛を密生する。
保 護: 指定されていない。
その他: 西日本に多い種だったが、ゴルフ場に移入されたシバに付着して県内に入り、近年定着した。
天敵 捕獲: 成虫はオオイシアブ、シオヤムヒキなどの大型ムシヒキアブ類、造網性クモ類、幼虫は各種オサムシ類、アオゴミムシなどの捕食性ゴミムシ類。
寄生: 成虫はスジコガネヤドリバエ(Istochaeta rhombonicus)、幼虫はシュツェニクバエ(Kramerea schuetzei)、クサニクバエ(Parasarcophaga harpax)のほか、汎くコガネムシ類全般の幼虫に寄生するヒメハラナガツチバチ(Compsomeris annulata)、マメコガネツチバチ(Tiphia popilliavora)、ハルクロツチバチ(T. vernalis)、チョウセンツチバチ(T. koreana)、オオモンツチバチ(Scolia japonica)、シオヤムシヒキ(Promachus yesonicus)などが知られる。


ヒメコガネ

姫黄金虫 (コガネムシ科)


ノブドウの葉を食べる緑色型 クズの葉を食べる藍青色型
2002/8/16 館山市国分 2002/8/17 千葉市緑区
ヒメコガネ (コガネムシ科 スジコガネ亜科 スジコガネ族 スジコガネ亜族)
Anomala rufocuperea  Motschulsky, 1860
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。 平地~山地まで汎く分布する。島嶼では国後、択捉、佐渡、伊豆諸島、小笠原諸島、隠岐、対馬、壱岐、五島列島、甑島列島、男女群島、種子島、屋久島、トカラ列島、奄美大島。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、樺太に分布する。基産地は日本(江戸)。
変異 形態: 地理的変異は知られていないが、色調に著しい個体変異を示す。基本型は銅赤色。もっとも一般的な緑色型(var. viridicuprea Ohaus, 1915)のほか、藍青色型(var. violacea Ohaus, 1915)、褐色型(var. castanipennis Ohaus, 1915)などがある。
季節:
性差: ほぼ同型。♂は触角の鰓状部が長い。♀は一般に♂より大型。
生態 環境: 樹上性。広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、公園、社寺境内、果樹園など。幼虫は地中性
発生: 年1回。7月~9月に見られる。
越冬: 幼虫(非休眠)。
行動: 昼行性。夜間は樹上や草上、地上の落ち葉の隙間などに潜り込んでじっとしている。燈火に飛来することはない。
食性 幼虫: 食植性/スギ科スギヒノキ科ヒノキサワラなどの針葉樹。
成虫: 食植性/広食性。バラ科のサクラ類、ブナ科のクリ、クヌギ、コナラ、ミズナラ、ニレ科のエノキ、ケヤキ、ニレ類、ブドウ類、マメ類など多くの植物を利用する。
類似種: コガネムシに酷似する。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種。個体数も多い。
天敵 捕獲: 成虫はオオイシアブ、シオヤムヒキなどの大型ムシヒキアブ類、造網性クモ類、幼虫は各種オサムシ類、アオゴミムシなどの捕食性ゴミムシ類。
寄生: 成虫はスジコガネヤドリバエ(Istochaeta rhombonicus)、幼虫はシュツェニクバエ(Kramerea schuetzei)、クサニクバエ(Parasarcophaga harpax)のほか、汎くコガネムシ類全般の幼虫に寄生するヒメハラナガツチバチ(Compsomeris annulata)、マメコガネツチバチ(Tiphia popilliavora)、ハルクロツチバチ(T. vernalis)、チョウセンツチバチ(T. koreana)、オオモンツチバチ(Scolia japonica)、シオヤムシヒキ(Promachus yesonicus)などが知られる。


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