カナブン

金文虫 (コガネムシ科)


ネコヤナギの樹液を吸う褐色の強い個体
2007/7/27 千葉市緑区
カナブン (コガネムシ科 ハナムグリ亜科 カナブン族 カナブン亜族)
Pseudotorynorrhina japonica  (Hope, 1841)
分布 国内: 本州(山形以南)、四国、九州。 平地~山地まで汎く分布する。島嶼では佐渡、伊豆諸島、隠岐、対馬、壱岐、五島列島、種子島、屋久島、黒島で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、済州島、中国大陸に分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。体色は個体変異が大きく、汚緑褐色~鮮緑色まで連続的に変化する。
季節:
性差: ほぼ同型。♂の後胸腹板と腹端は縦にくぼむ。
生態 環境: 樹上性。クヌギ、コナラを中心とした二次林、遷移林。ヤナギ類の多く自生する湿地など。幼虫は地中性
発生: 年1回。6月~8月に見られる。
越冬: 幼虫(非休眠)。
行動: 完全な昼行性。樹液を求めて活発に飛び回る。飛翔の際にはほとんど予備動作をせずに、前翅を閉じたまま後翅のみで飛ぶ。アオカナブンやクロカナブンと混生することが多いが、その中で最も個体数が多い。樹液に集まる昆虫の中での序列は低くアシナガバチ類に追われることもある。夕方になると根際の落ち葉下などに潜りこみ夜間は活動しないため、燈火に飛来することはない。
食性 幼虫: 食植性/朽木腐植土。クヌギやコナラ、ミズナラ(ナラ類)、サクラなどの広葉樹。
成虫: 食植性/樹液。クヌギやコナラ、ミズナラなどのナラ類、カシ類、シイ類、ヤナギ類に集まる。
類似種: 鮮緑色の個体は、アオカナブンに酷似するが、本種は体型がやや幅広く、前翅先端の会合部が若干突出し、左右の後脚基節が離れる。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種。個体数も多い。
天敵 捕獲: ムシヒキアブ類のほか、造網性クモ類など。幼虫はオサムシ類、ハサミムシ類など。
寄生:


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