分布 |
国内: |
本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では佐渡、隠岐、壱岐、対馬、五島列島、甑島、屋久島、奄美大島。平地~山地に汎く分布する。近年北海道と沖縄本島に人為的に放流され定着した。 |
県内: |
一部の市街地を除き、全域に汎く棲息する。 |
国外: |
朝鮮半島、済州島、中国(華北・華中)に分布する。原名亜種は中国大陸産。本亜種は日本固有。 |
変異 |
形態: |
沖縄本島(伊平屋・久米島などを含む)産は別亜種(ssp. takarai (Kusui, 1976))とされる。♂は大きさによって著しい個体変異を示す。また、体色は赤褐色~黒褐色まで変異が大きい。 |
季節: |
- |
性差: |
異型。♂は頭部と前胸の角状突起が発達する。また、♀は全身に微毛を密生する。 |
生態 |
環境: |
樹上性。クヌギ、コナラ、ミズナラなどを中心とした二次林、遷移林。ヤナギ類の多く自生する湿地など。幼虫は地中性で、林床の腐葉土もしくは畑地周辺などの堆肥中に棲息する。 |
発生: |
年1回。6月中旬~9月上旬に見られ、7月中旬~8月中旬が盛期。 |
越冬: |
幼虫(2齢~3齢)。落葉樹林の腐植土層中や堆肥中などで、休眠せずにすごすが、他の時期と比較してかなり深い場所に潜っている。 |
行動: |
基本的には夜行性で、日中は樹液の出る広葉樹の根際の落ち葉下や周囲の樹上の高い位置で休息しているが、日中も活動している場合も少なくない。樹液に集まる昆虫の中での序列は最も高い。♂は性質が荒く、別の♂が側に来るとすぐにけんかを始める。交尾産卵は主に夜間に行われるが日中の場合もある。♂♀共に燈火によく集まる。 |
食性 |
幼虫: |
食植性/腐植土・朽木。落葉樹の腐植土や堆肥、十分に腐朽した広葉樹の埋れ木のほか、醗酵した牛糞なども食べる。 |
成虫: |
食植性/樹液。クヌギやコナラ、ミズナラなどのナラ類、ヤナギ類が主で、他にカシ類、シイ類、 稀にアカメガシワ、エノキの樹液にも集まる。 |
類似種: |
- |
保 護: |
指定されていない。 |
その他: |
子どもたちの愛玩昆虫の代表格で、飼育や繁殖も容易。近年は大量に養殖されたものが安く販売されているが、その安易な放流により、従来生息していなかった北海道や、固有の別亜種が生息する沖縄地方などで勢力を広げており、問題になっている。 |
天敵 |
捕獲: |
弱った幼虫はハサミムシ類、オサムシ類などに狩られることがある。成虫の野外での最大の天敵は、人間を除くとカラスとアオバズクで、腹部をかじりとられた無残な個体を見ることも多い。 |
寄生: |
- |