ヒメマイマイカブリ

姫蝸牛被り (オサムシ科)


地上を歩行する個体
2002/4/15 袖ヶ浦市下根岸
ヒメマイマイカブリ <マイマイカブリ 東日本亜種> (オサムシ科 オサムシ亜科 オサムシ族 オサムシ亜族)
Carabus (Damaster) blaptoides oxuroides  (Schaum, 1862)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では粟島、佐渡、隠岐、五島列島、甑島、種子島、屋久島で記録されている。
県内: 市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: ほぼ日本特産種。国外では南千島に分布する。本亜種の標式産地は横浜。対馬には近似の別種ツシマカブリモドキ(C. (D.) fruhstoferi  (Roeschke, )を産する。
変異 形態: 分布が広いため、非常に多くの亜種に分けられている。北海道・千島産はエゾマイマイカブリ(ssp. rugipennis  Motshchulsky, )、佐渡産はサドマイマイカブリ(ssp. capito  Lewis, )、新潟県粟島産はアオマイマイカブリ(ssp. fortunei  Adams, )、東北北部(秋田-宮城東部以北)産はキタマイマイカブリ(ssp. viridipennis  Lewis, )、東北南部~新潟産はコアオマイマイカブリ(ssp. babaianus  Ishikawa, )、関東・中部・東海産は本亜種(ヒメマイマイカブリ)、近畿以西産は島嶼を含め原名亜種(ssp. blaptoides  Koller, ))とされている。また、本亜種の中でも比較的顕著な地理的変異が知られ、それぞれ別亜種の産地に近い個体群はぞれぞれの別亜種との移行的な形態を示す。県内の個体群の前翅は、北部が暗藍色~暗青紫色を帯びるのに対し、南部の個体群は著しく暗化する傾向が認められる。
季節:
性差: ほぼ同型。外見での区別は困難だが、一般に♀は♂より大型。
生態 環境: 地上性樹上性。広葉樹を中心とする各種樹林、公園、社寺境内など。比較的湿度が高く、薄暗い環境を好む。幼虫は地上性
発生: 年1回。越冬成虫が5月中旬~6月上旬、新成虫が7月下旬~10月に見られる。
越冬: 主に成虫。やや腐朽が進みやわらかくなった倒木や立枯木に潜り込み、単独で越冬する。幼虫で越冬する場合もあるという。
行動: 夜行性。日中は落葉下や岩の隙間などに潜んでいる。後翅は完全に退化しているため飛翔できないが、歩行は敏速で、活動は非常に活発。夜間に地上や樹上を徘徊し、餌を狩る。
食性 幼虫: 捕食性/生体。ミミズやカタツムリ、ナメクジなど、体液の多い獲物を好む。小動物の死骸に集まることは少ない。
成虫: 捕食性/生体。多くの場合は各種のカタツムリ。ミミズ、ナメクジなども狩るが、カタツムリを食べないと産卵できないという。また、クヌギやコナラなどの樹液に集まることもある。
類似種:
保 護: 千葉県:、千葉市:、神奈川県:
その他: 体が非常に細長く、体長では世界最大級のオサムシ。かつては普通種だったが、近年個体数が激減している。なお、地理的変異は非常に著しく、西日本の個体群と東北地方の個体群は、繁殖どころか交尾すらできないという。
天敵 捕獲:
寄生:


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