分布 |
国内: |
本州、四国、九州。島嶼では佐渡~南西諸島北部。 |
県内: |
一部の市街地を除きほぼ全域に分布するが、やや局地的な傾向を示す。 |
国外: |
原名亜種が台湾、中国南部~インドシナ、マレー、フィリピン、ボルネオ、スマトラなど東洋熱帯に汎く分布。本亜種は日本固有。 |
変異 |
形態: |
南西諸島以南には原名亜種(ssp. servilia (Drury, 1770))が分布する。 |
季節: |
知られていない。 |
性差: |
未成熟個体は同型。成熟個体は異型。♂は成熟すると全身が強く赤化する。 |
生態 |
環境: |
止水性および緩流性。平地~丘陵地。水辺に抽水植物の多い池沼や水田、用水路。底質は砂泥、水質はやや濁ったあるいは濁った陸水。開けた明るい環境を好む。 |
発生: |
年1回。4月~10月上旬に見られる。 |
越冬: |
幼虫。水底の藻などの隙間に潜む。 |
行動: |
昼行性。静止時は翅を開いて平らにとまる。飛翔は敏速だが移動性は弱く、羽化水域を遠く離れることはない。羽化直後の未熟な個体は♂♀共に水辺を離れ、付近の雑木林などの林縁で栄養飛翔を行う
。成熟した♂は水辺に戻り、水域の上を盛んに飛び回って♀を探す。♀を見つけると直ちに交尾するが、交尾時間は数秒と、きわめて短い。♀は単独で打水産卵するが、♂はその際上空でホバリングし、♀を警護する。 |
食性 |
幼虫: |
捕食性。若齢幼虫はミジンコ類、中齢以降はユスリカ類やハナアブ類 、カゲロウ類、カワゲラ類、トビケラ類などの幼虫、両生類幼生(オタマジャクシ)、小型魚類(メダカなど)。 |
成虫: |
捕食性。小型~中型の鱗翅目、ハエ、ユスリカ、アブ、小型のトンボ類などの飛翔性昆虫のほか、カゲロウ類、カワゲラ類、トビケラ類など。 |
類似種: |
♀はオオキトンボに似るが、大きさと翅脈が異なる。 |
保 護: |
千葉市:C、東京都:C(区部) |
その他: |
- |
天敵 |
捕獲: |
ヤンマ類や大型のサナエトンボ類、ハエトリグモ類、造網性クモ類。 |
寄生: |
卵はタマゴコバチ科のHydrophylita aquivolans が知られる。 |