分布 |
国内: |
本土全域。島嶼では対馬、種子島、屋久島。沖縄本島には近似の別種オキナワサラサヤンマ(O.kunigamiensis (Ishida, 1972))を産する。 |
県内: |
市街地を除き、ほぼ全域に分布するが産地は局限される。 |
国外: |
日本特産種。国外では台湾に近似の別種が棲息する。 |
変異 |
形態: |
地理的変異は知られていない。 |
季節: |
知られていない。 |
性差: |
同型。大きさや斑紋に差はないので、腹端を観察する必要がある。 |
生態 |
環境: |
止水性(湿地細流)。平地~丘陵地。ハンノキ優占林やヤナギ類が繁茂する湿地の細流。底質は泥、水質はやや濁った陸水。樹林に囲まれた、比較的暗い環境の中の空隙地を好む。 |
発生: |
年1回。4月下旬~ 6月中旬に見られる。 |
越冬: |
幼虫。 |
行動: |
昼行性。静止時は翅を開き、枝などにぶら下がってとまる。飛翔は敏速だが広範囲に移動することはなく、羽化水域からあまり離れない。成熟した♂は木立の間の空隙地や湿地の上空を旋回飛翔して♀を待つ。♀は単独で、湿った潅木の根際や、落葉が積もって湿った土やコケに産卵する。詳しい幼虫の生活史は不明で、産卵場所から羽化水域まで陸上歩行により移動する可能性が考えられている。 |
食性 |
幼虫: |
捕食性。若齢幼虫はミジンコ類、中齢以降はユスリカ類やハナアブ類 、カゲロウ類、カワゲラ類、トビケラ類などの幼虫、両生類幼生(オタマジャクシ)、小型魚類(メダカ、クチボソなど)。 |
成虫: |
捕食性。鱗翅目、ハエ、ユスリカ、アブ、小型~中型のトンボ類などの飛翔性昆虫のほか、カゲロウ類、カワゲラ類、トビケラ類など。 |
類似種: |
- |
保 護: |
千葉県:D、千葉市:B、東京都:A(区部)/B(北多摩・南多摩)/C(西多摩)、神奈川県:En、埼玉県:NT2(中川・加須低地/VU)、栃木県:C、群馬県:CR+EN。 |
その他: |
湿性遷移途中の不安定な環境を好むため、安定した産地に乏しい。 |
天敵 |
捕獲: |
大型の造網性クモ類。 |
寄生: |
卵はタマゴコバチ科のHydrophylita aquivolans が知られる。 |