分布 |
国内: |
本州、四国、九州。島嶼では対馬、沖縄本島。 本州、四国、九州。島嶼では佐渡、伊豆諸島、対馬、種子島、屋久島、トカラ列島、奄美大島、沖縄本島。 |
県内: |
市街地を除きほぼ全域に分布するが、北部では稀。南部では比較的個体数が多いとされる。 |
国外: |
中国大陸(華中)に分布する。 |
変異 |
形態: |
地理的変異は知られていない。 |
季節: |
知られていない。 |
性差: |
未成熟時は同型、成熟すると異型。♂は成熟すると複眼と体の黄色い部分がコバルトブルーに変わり、♀は翅が褐色になる。 |
生態 |
環境: |
止水性。平地~丘陵地。丘陵地の抽水植物の豊富な湿地の水たまり。底質は泥、水質は濁った陸水。樹林に囲まれた、比較的暗い環境の中の空隙地を好む。 また、大型のヤンマの割に小さな水域でも育ち、半ば腐敗したような村落の防火用水でも発生することがある。 |
発生: |
年1回。5月下旬~9月上旬に見られる。卵期は22日~26日、終齢幼虫は12齢で、孵化から300日前後で羽化するとされる。 |
越冬: |
幼虫(亜終齢~終齢)。 |
行動: |
昼行性(黄昏)。静止時は翅を開き、枝などにぶら下がってとまる。飛翔は敏速だが広範囲に移動することはなく、羽化水域からあまり離れない。強い黄昏飛翔性を示し、日中は薄暗い林内や藪の中の潅木の枝などで休息している。♀は単独で、湿った崖の土中やコケに産卵するが、水域から離れた場所にも産卵することから、孵化した幼虫は水域まで歩行して到達するものと考えられる。 |
食性 |
幼虫: |
捕食性。若齢幼虫はミジンコ類、中齢以降はユスリカ類やハナアブ類 、カゲロウ類、カワゲラ類、トビケラ類などの幼虫、両生類幼生(オタマジャクシ)、小型魚類(メダカ、クチボソなど)。 |
成虫: |
捕食性。鱗翅目、ハエ、ユスリカ、アブ、小型~中型のトンボ類などの飛翔性昆虫のほか、カゲロウ類、カワゲラ類、トビケラ類など。 |
類似種: |
未成熟個体はミルンヤンマやサラサヤンマに似るが、本種のほうがはるかに大きい。 |
保 護: |
千葉県:D、東京都:B(区部)/C(北多摩・西多摩・南多摩)、栃木:B。 |
その他: |
強い黄昏飛翔性を示すため、人目につくことは少ない。県北部では減少傾向が著しい。 |
天敵 |
捕獲: |
大型の造網性クモ類。 |
寄生: |
卵はタマゴコバチ科のHydrophylita aquivolans が知られる。 |