分布 |
国内: |
本州(関東以西)、四国、九州。島嶼ではこれまで知られていなかったが、最近種子島で確認された。 |
県内: |
市街地を除き汎く全域に棲息するが、産地はやや局地的な傾向を示す。 |
国外: |
インドに分布する。 |
変異 |
形態: |
地理的変異は知られていない。 |
季節: |
知られていない。 |
性差: |
異型。斑紋には差はないが、成熟すると♂は複眼と黄色部がコバルトブルーに変わり、♀は複眼が緑色となるほか、翅の基部が褐色化する。 |
生態 |
環境: |
止水性。平地~丘陵地。挺水植物や抽水植物の豊富な池沼や堰。底に有機質が厚く沈殿する泥質、水質はやや濁った陸水。周囲に深い樹林を伴う薄暗い環境を好む。 |
発生: |
年1回。6月下旬~9月中旬に見られる。幼虫の生活史は不明。 |
越冬: |
幼虫。 |
行動: |
昼行性(黄昏)。静止時は翅を開き、枝などにぶら下がってとまる。飛翔はきわめて敏速で行動範囲も広い 。強い黄昏飛翔性を示し、早朝と夕方に活動する。成熟した♂の習性は分かっていない。♀は早朝から午前中にかけて、単独で水辺の植物の組織内や枯れ草の内部などに産卵する。 |
食性 |
幼虫: |
捕食性。若齢幼虫はミジンコ類、中齢以降はユスリカ類やハナアブ類 、カゲロウ類、カワゲラ類、トビケラ類などの幼虫、両生類幼生(オタマジャクシ)、小型魚類(メダカ、クチボソなど)。 |
成虫: |
捕食性。鱗翅目、ハエ、ユスリカ、アブ、小型~中型のトンボ類などの飛翔性昆虫のほか、カゲロウ類、カワゲラ類、トビケラ類など。 |
類似種: |
カトリヤンマに似るが、翅胸部の色調が異なる。 |
保 護: |
千葉県:C、東京都:B(区部)/C(南多摩)、埼玉県:NT2(中川・加須低地/DD)、栃木:B、群馬:VU。 |
その他: |
県内では特に北総地域で減少傾向が見られる。 |
天敵 |
捕獲: |
大型の造網性クモ類。 |
寄生: |
卵はタマゴコバチ科のHydrophylita aquivolans が知られる。 |