分布 |
国内: |
北海道(東部・南部)、本州、四国、九州。島嶼では佐渡、三宅、壱岐、対馬、南西諸島。 |
県内: |
市街地を除き、ほぼ全域に棲息する。 |
国外: |
朝鮮、台湾、中国(華中・華南)、台湾、フィリピン、別亜種がブータン、シッキム、ネパールに分布する。 |
変異 |
形態: |
国内での地理的変異は知られていない。稀にギンヤンマとの種間雑種(スジボソギンヤンマ)が発生する。 |
季節: |
知られていない。 |
性差: |
異型。成熟すると♂は腹部第1・2節が淡青色となり、♀は灰白色のまま。成熟♀は翅が褐色を帯びる。 |
生態 |
環境: |
止水性または緩流性。平地~丘陵地。抽水植物の豊富な池沼や堰。底質は泥、水質はやや濁った陸水。周囲に木立の多い薄暗い環境を好む。 |
発生: |
年1回。発生期間は短く、4月下旬~5月中旬に一斉に羽化する。一般に♂は 6月中旬頃まで見られるが、♀は7月ごろまで生き残ることがある。羽化後、成熟するまでの期間は1週間~2週間程度である。 |
越冬: |
幼虫(亜終齢~終齢)。 |
行動: |
昼行性(黄昏)。静止時は翅を開き、枝などにぶら下がってとまる。飛翔はきわめて敏速で行動範囲も広い。弱い黄昏飛翔性を示すが、水域に戻った成熟♂は、日中もパトロールを行う。♂の縄張りは水域の面積に規定され、小さな水域では狭く、大きな水域ではやや広くなる傾向があるが、一般にギンヤンマよりははるかに狭い。縄張りに別の♂を
が侵入すると、ギンヤンマと同様猛烈に威嚇し、相手が退散するまで手を緩めることはない。♀は 主に午後3時以降に単独で、水辺の植物の組織内や枯れ草の内部などに産卵するが、特にヒシやヒツジグサなどの浮揚植物や、水面に浮いている落葉などに産付することが多い。 |
食性 |
幼虫: |
捕食性。若齢幼虫はミジンコ類、中齢以降はユスリカ類やハナアブ類 、カゲロウ類、カワゲラ類、トビケラ類などの幼虫、両生類幼生(オタマジャクシ)、小型魚類(メダカ、クチボソなど)。 |
成虫: |
捕食性。鱗翅目、ハエ、ユスリカ、アブ、小型~中型のトンボ類などの飛翔性昆虫のほか、カゲロウ類、カワゲラ類、トビケラ類など。 |
類似種: |
ギンヤンマやオオギンヤンマに似るが、翅胸部と腹部の斑紋が異なる。 |
保 護: |
千葉県:D、東京都:C(区部・北多摩) |
その他: |
県内では特に北総地域で若干の減少傾向が見られる。 |
天敵 |
捕獲: |
大型の造網性クモ類。 |
寄生: |
卵はタマゴコバチ科のHydrophylita aquivolans が知られる。 |