分布 |
国内: |
北海道(東部・南部)、本州、四国、九州 。島嶼では佐渡、三宅、壱岐、対馬、南西諸島。 |
県内: |
一部の市街地を除き、全域に分布する。 |
国外: |
朝鮮、台湾、中国(華南)に分布する。 |
変異 |
形態: |
地理的変異は知られていない。稀にクロスジギンヤンマとの種間雑種(スジボソギンヤンマ)が発生する。 |
季節: |
知られていない。 |
性差: |
異型。成熟すると♂は腹部第1・2節が淡青色となり、♀は灰白色のまま。成熟♀は翅が褐色を帯びる。 |
生態 |
環境: |
止水性または緩流性。平地~丘陵地。抽水植物の豊富な池沼や堰、農業用水。底質は泥、水質はやや濁った陸水。比較的明るい環境を好む。稀に学校のプールなどでも発生することがある。 |
発生: |
年1回。4月下旬~10月上旬に見られる。卵期は17日~18日。終齢幼虫は14齢で孵化から300日~330日前後で羽化するといわれる。 |
越冬: |
幼虫。齢数は不定。 |
行動: |
昼行性。静止時は翅を開き、枝などにぶら下がってとまる。飛翔はきわめて敏速で行動範囲も広い。弱い黄昏飛翔性を示すが、水域に戻った成熟♂は、日中もパトロールを行う
。♂の縄張りは非常に広く、侵入した別の♂を猛烈に威嚇する。ヤンマ類では例外的に、♀は♂と連結したまま、水辺の植物の組織内や枯れ草の内部などに産卵するが、ダンボールや板切れなど産み付けることもある。 |
食性 |
幼虫: |
捕食性。若齢幼虫はミジンコ類、中齢以降はユスリカ類やハナアブ類 、カゲロウ類、カワゲラ類、トビケラ類などの幼虫、両生類幼生(オタマジャクシ)、小型魚類(メダカ、クチボソなど)。 |
成虫: |
捕食性。鱗翅目、ハエ、ユスリカ、アブ、小型~中型のトンボ類などの飛翔性昆虫のほか、カゲロウ類、カワゲラ類、トビケラ類など。 |
類似種: |
クロスジギンヤンマやオオギンヤンマに似るが、 翅胸部と腹部の斑紋が異なる。 |
保 護: |
千葉市:C、神奈川県:V。 |
その他: |
県内では特に北総地域で若干の減少傾向が見られる。亜種小名は、古代ローマの終身独裁官(皇帝ではない)であるユリウス・カエサル(Caius Julius Caesar)に因むというが、なぜだろう? |
天敵 |
捕獲: |
大型の造網性クモ類。 |
寄生: |
卵はタマゴコバチ科のHydrophylita aquivolans が知られる。 |