分布 |
国内: |
本州(関東平野以西)、四国、九州。島嶼では対馬、種子島、屋久島、沖永良部島。 |
県内: |
千葉市東部と夷隅郡大原町以南に分布するが、産地は局地的で個体数も少ない。 |
国外: |
台湾、マレー、インド、セイロンに分布する。 |
変異 |
形態: |
地理的変異は知られていない。 |
季節: |
羽化する時期によって顕著な季節差が認められ、夏型と越冬型(f. forma-b)が知られる。 |
性差: |
同型。大きさや斑紋に差はない。 |
生態 |
環境: |
止水性。平地~丘陵地。抽水植物が繁茂し挺水植物の多い池沼で、底質は砂あるいは泥、水質はやや濁った陸水。周囲の草丈が低く、明るい環境を好む。 |
発生: |
年1回と考えられるが詳細不明。夏型は7月上旬~8月下旬、越冬型は8月中旬~翌年6月下旬に見られる。 |
越冬: |
成虫(越冬型)。未成熟状態で越冬する。 |
行動: |
昼行性。静止時は翅を閉じ、平らにとまる。移動性は弱いが、羽化直後の未熟な個体は♂♀共に水辺を離れ、付近の雑木林内で栄養飛翔を行うことが知られる。 成熟した♂は水辺に戻り、抽水植物の茎などにとまって縄張りをつくり♀を待つ。♀は♂と連結したまま抽水植物の茎などに産卵する。その際♂は直立して産卵中の♀を警護する。 |
食性 |
幼虫: |
捕食性/生体。ミジンコ類、ユスリカ類やハナアブ類の幼虫 |
成虫: |
捕食性/生体。小蛾類、ハエ、ユスリカなど小型の飛翔性昆虫。ときにアジアイトトンボなど小型のイトトンボ類も捕食する。 |
類似種: |
アオモンイトトンボ、アジアイトトンボ、オオイトトンボに似るが、これらより腹部が細く、斑紋が若干異なる。 |
保 護: |
千葉県:A、千葉市:A、神奈川県:Ex、埼玉県:CR+EN(中川・加須低地/DD) |
その他: |
県内での産地は局地的で、個体数も少ない。 |
天敵 |
捕獲: |
オオセスジイトトンボなどの大型イトトンボ類、ヤンマ類やサナエトンボ類、大型~中型のトンボ類、ハエトリグモ類、造網性クモ類。 |
寄生: |
卵はタマゴコバチ科のHydrophylita aquivolans が知られる。 |