分布 |
国内: |
本州。青森、秋田、宮城、新潟、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川から記録されている。 |
県内: |
産地は点々と平野部に散在し、きわめて局地的。江戸川・利根川水系(関宿・野田・市川・我孫子・印旛・本埜)、佐倉市、光町、東金市、大原町で記録されるが局限される。 |
国外: |
中国(大連・熱河・河北・南京)に局地的に分布する。 |
変異 |
形態: |
地理的変異は知られていない。 |
季節: |
知られていない。 |
性差: |
異型。成熟すると♂は水色、♀は黄緑色になる。未成熟時でも翅胸部の黒斑が異なる。 |
生態 |
環境: |
止水性。低地~平地。浮葉植物・沈水植物・挺水植物が豊富な池沼で、底質は泥、水質はやや濁った陸水。周囲の草丈が低く、比較的明るい環境を好む。 |
発生: |
年1回。5月~8月に見られる。 |
越冬: |
幼虫。 |
行動: |
昼行性。静止時は翅を閉じ、平らにとまる。飛翔はイトトンボ類の中では敏速で、移動性は弱いが、羽化直後の未熟な個体は♂♀共に水辺を離れ、付近の雑木林などの林縁で栄養飛翔を行う。成熟した♂は水辺に戻り、
ヒシやヒツジグサなど浮葉植物の葉上 や抽水植物の茎などにとまって縄張りをつくり♀を待つ。♀は♂と連結したまま水面付近の植物組織などに産卵する。その際♂は直立して警護することも多い。 |
食性 |
幼虫: |
捕食性/生体。ミジンコ類、ユスリカ類やハナアブ類の幼虫。 |
成虫: |
捕食性/生体。小蛾類、ハエ、ユスリカなど小型の飛翔性昆虫。ときにクロイトトンボやアジアイトトンボなど小型のイトトンボ類も捕食する。 |
類似種: |
セスジイトトンボ、ムスジイトトンボと酷似するが、本種のほうがはるかに大きい。 |
保 護: |
環境省:CR+EN、千葉県:A、東京都:D(区部)、神奈川県:Ex、埼玉県:CR+EN、群馬県:EX。 |
その他: |
環境の悪化に伴い、近年関東一円で激減している。かつて記録された場所でも、環境悪化に伴い絶滅する例が多い。 |
天敵 |
捕獲: |
ヤンマ類やサナエトンボ類、大型~中型のトンボ類、ハエトリグモ類、造網性クモ類。 |
寄生: |
卵はタマゴコバチ科のHydrophylita aquivolans が知られる。 |