分布 |
国内: |
州、四国、九州。島嶼では佐渡、隠岐、壱岐、対馬、種子島、屋久島。 |
県内: |
市街地を除き、全域に汎く分布するが、一般に産地は局地的。北部では稀だが南部では産地での個体数は少なくない。 |
国外: |
朝鮮半島、中国大陸(東北部~華中)に分布する。 |
変異 |
形態: |
国内での地理的変異は知られていない。 |
季節: |
ほぼ同型。斑紋に差はないが、晩夏に出る個体はかなり小型となる。 |
性差: |
異型。♂♀共に腹端は鮮やかな青色だが、♀は前後に途切れる。また、♂は成熟すると全身に白粉を吹くため斑紋は見えない。 |
生態 |
環境: |
止水性。平地~丘陵地。浮葉植物が豊富な池沼で、底質は泥、水質はやや濁った陸水。周囲の草丈が低く、比較的明るい環境を好む。 |
発生: |
年2回。5月~7月、8月下旬~9月に見られる。暖地では4月下旬~10月まで見られる。 |
越冬: |
幼虫。 |
行動: |
昼行性。静止時は翅を閉じ、平らにとまる。飛翔は緩やかで移動性は弱いが、羽化直後の未熟な個体は♂♀共に水辺を離れ、付近の雑木林などの林縁で栄養飛翔を行う。成熟した♂は水辺に戻り、
ヒシやヒツジグサなど浮葉植物の葉上にとまって縄張りをつくり♀を待つ。♀は♂と連結したまま水面付近の植物組織などに産卵する。その際♂は直立して産卵中の♀を警護する
こともある。 |
食性 |
幼虫: |
捕食性/生体。ミジンコ類、ユスリカ類やハナアブ類の幼虫 |
成虫: |
捕食性/生体。小蛾類、ハエ、ユスリカなど小型の飛翔性昆虫。ときにアジアイトトンボなど小型のイトトンボ類も捕食する。 |
類似種: |
未成熟個体と♀はオオイトトンボに酷似するが、翅胸部と腹端の斑紋が若干異なる。 |
保 護: |
指定されていない。 |
その他: |
県内では保護指定されていないが、特に県北部を中心に産地は減少しつつある。 |
天敵 |
捕獲: |
オオセスジイトトンボなどの大型イトトンボ類、ヤンマ類やサナエトンボ類、大型~中型のトンボ類、ハエトリグモ類、造網性クモ類。 |
寄生: |
卵はタマゴコバチ科のHydrophylita aquivolans が知られる。 |