ビロードハマキ

天鵞絨葉巻蛾 (ハマキガ科)


林縁で休む個体
ビロードハマキ (ハマキガ科 ハマキガ亜科 ビロウドハマキ族)
Cerace xanthocosma  Diakonoff ,1950
分布 国内: 本州(関東南部以西)、四国、九州。平地~山地まで汎く分布するが、照葉樹林帯に固有。島嶼では対馬、屋久島で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息するが、県南部が中心。
国外: 中国大陸(東北部~南西部)、樺太に分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。斑紋には比較的顕著な個体変異がある。
季節: 比較的明瞭。第1化は第2化よりはるかに大型。
性差: 異型。♀は♂よりはるかに大型で、翅の黒色斑紋が小さい傾向がある。
生態 環境: 照葉樹林とその林縁、公園、社寺境内など。
発生: 年2回。6月~7月、9月~10月に見られる。
越冬: 幼虫
行動: 昼行性。夜間燈火に飛来することもある。主に午後に活動するが、飛翔は緩やかで、あまり活発でない。幼虫は食樹の葉を数枚綴って粗末な巣を作り、その中に潜む。
食性 幼虫: 食植性/ブナ科コナラ属アラカシアカガシシラカシなどのカシ類ツバキ科ヤブツバキツツジ科アセビ等の常緑樹のほか、カエデ科カエデ類などの落葉樹。第1化の幼虫が常緑樹、第2化の幼虫が落葉樹を食べる傾向がある。
成虫: 不明。
類似種: ヒロバビロードハマキに似るが斑紋が異なる。
保 護: 指定されていない。
その他: かなり大型で、ハマキガ科随一の美麗種。個体数は一般にそれほど多くない が、多産する年がある。近年の温暖化の影響で、分布を北に拡げつつある。
天敵 捕獲: オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、 キリギリス、ヤブキリ、コロギスなどの捕食性キリギリス類のほか、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類など。
寄生: 不明。


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