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燈火に飛来した個体 | ||
2006/8/14 千葉市緑区 |
クロシタアオイラガ (イラガ科 イラガ亜科) |
Parasa sinica Moore ,1877 |
分布 | 国内: | 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬で記録されている。 |
県内: | 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。 | |
国外: | 朝鮮半島、中国大陸、シベリア南東部に分布する。 | |
変異 | 形態: | 地理的変異は知られていない。個体変異も軽微。 |
季節: | - | |
性差: | ほぼ同型。触角は♂が両櫛歯状、♀は糸状。 | |
生態 | 環境: | 各種樹林とその林縁、果樹園、畑地、公園、社寺境内、人家の庭など。 |
発生: | 通常年2回。寒冷地では年1回。5月~6月、8月中旬~9月に見られる。 | |
越冬: | 不明。 | |
行動: | 主に夜行性。燈火に飛来することも多い。日中は林縁などで休息している。幼虫は集合性が強く、摂食の際には横一列に並んで葉縁から食べるが、終齢幼虫は分散する。 | |
食性 | 幼虫: | 食植性/葉。広食性。ブナ科のクヌギ、コナラ、クリ、バラ科のサクラ類、ウメ、カキノキ科のカキノキ、スイカズラ科のサンゴジュ、ミズキ科のハナミズキなど。 |
成虫: | 成虫は口吻が退化しているため、何も食べない。 | |
類似種: | 同属のヒロヘリアオイラガ、アオイラガに似るが、前翅外縁の褐色帯の幅と形状が異なる。、 | |
保 護: | 指定されていない。 | |
その他: | 美麗種。普通種で個体数も多い。幼虫は毒針を持ち、触れると激痛が走るが、予後は良好で、後遺症もほとんどない。なお、毒をもつのは幼虫のみで、卵、蛹、成虫の各ステージは無毒である。 | |
天敵 | 捕獲: | オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、ヤブキリ、コロギス等の捕食性キリギリス類のほか、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類など。 |
寄生: | 蛹から羽化脱出するセイボウ科のイラガセイボウ、ヒメバチ科トガリヒメバチ亜科のノヒラチビトガリヒメバチ(Litochila nohirai (Uchida, 1930))が知られる。 |
イラガ科 | 生態 | 幼生 | 飼育 | トップ |
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燈火に飛来した個体 | ||
2001/8/14 木更津市菅生 |
ヒロヘリアオイラガ 原名亜種 (イラガ科 イラガ亜科) |
Parasa lepida lepida (Cramer ,1777) |
分布 | 国内: | 本州(関東以西)、四国、九州。平地~山地まで汎く分布するが、人里近くに多い。島嶼では沖縄本島で記録されている。 |
県内: | 市街地を含め、汎く全域に棲息する。 | |
国外: | 中国大陸(華中・華南)~インドシナ、インド、フィリピン、スンダ列島に汎く分布する。フィリピン産、スンダ列島産が別亜種とされ、日本産を含む他の全域のものが原名亜種となる。 | |
変異 | 形態: | 国内での地理的変異は知られていない。斑紋に若干の個体変異がある。 |
季節: | 知られていない。 | |
性差: | ほぼ同型。外見上の差はほとんどないが、触角形状が異なり、♂は櫛歯状、♀は糸状。 | |
生態 | 環境: | 各種樹林とその林縁、社寺境内、公園、果樹園、人家の庭など。 |
発生: | 年2回。4月~6月、8月~9月に見られる。 | |
越冬: | 蛹。 | |
行動: | 夜行性。夜間燈火に飛来することも多い。日中は薄暗い林縁の下草などにぶら下がって休息している。幼虫は集合性が強く、特に中齢期までは食樹の葉裏に群生し、一列に並んで摂食する習性がある。若齢期は葉裏から葉肉のみを舐めとるように食べ、中齢以降は葉縁から食べるようになる。食樹の枝の基部などに繭を作り蛹化する。 | |
食性 | 幼虫: | 食植性/葉。典型的な広食性種。バラ科、ブナ科、クスノキ科、カエデ科、モクセイ科、クロウメモドキ科、トウダイグサ科、マメ科、ウコギ科、スイカズラ科、カキノキ科、モクレン科、メギ科など多くの樹木につく。 |
成虫: | 不食。成虫は口吻が退化しており、何も食べない。 | |
類似種: | クロシタアオイラガに似るが、本種のほうが翅端の褐色部が広い。 | |
保 護: | 指定されていない。 | |
その他: | 普通種。個体数も多い。幼虫は毒刺毛を持ち、触れると飛び上がるほど痛いが、放置していても全身症状を発症することはない。しかし心配だったら抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏などを塗布すると良い。また、毒をもつのは幼虫のみで、卵、蛹、成虫の各ステージは無毒である。 | |
天敵 | 捕獲: | オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、ヤブキリ、コロギス等の捕食性キリギリス類のほか、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類など。 |
寄生: | 蛹から羽化脱出するセイボウ科のイラガセイボウ、ヒメバチ科トガリヒメバチ亜科のノヒラチビトガリヒメバチ(Litochila nohirai (Uchida, 1930))が知られる。 |
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