ウスバミスジエダシャク

薄羽三条枝尺蛾 (シャクガ科)


燈火に飛来した♂ 燈火に飛来した♀
2005/7/9 夷隅郡大多喜町久我原 2005/6/3 千葉市緑区
ウスバミスジエダシャク 極東亜種 (シャクガ科 エダシャク亜科)
Hypomecis punctinalis conferenda  (Butler ,1878)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬、屋久島で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島 、中国大陸、ロシア沿海州、シベリア~欧州、台湾に分布する。 原名亜種は欧州産を指し、台湾産も別亜種。本亜種には対馬を除く日本産、朝鮮半島北部産と中国大陸(東北部)産を含む。
変異 形態: 対馬産は別亜種(ssp.referendaria (Bryk, 1949))とされる。亜種区分にはいたらないが、寒冷地産は色調が淡色となる傾向が認められる。また、斑紋に若干の個体変異がある。
季節: 知られていない。
性差: 異型。、♂前翅基部には刻孔があり、一般に♀は♂より大型。また触角は♂が櫛歯状、♀は糸状。
生態 環境: 各種樹林とその林縁、果樹園、公園など。
発生: 年2回。5月~6月、7月下旬~9月に見られる。
越冬: 幼虫(齢数不明)。
行動: 夜行性。燈火に飛来することも多い。日中は薄暗い林内などで休息している。
食性 幼虫: 食植性/典型的な広食性種。ヤナギ科、クルミ科、カバノキ科、ブナ科、ニレ科、クワ科、クスノキ科、バラ科、マメ科、カエデ科、グミ科など主に広葉樹につくが、ヒノキ科のビャクシンにつくこともある。
成虫: 不明。
類似種: 同属のハミスジエダシャク、オオバナミガタエダシャクに似る。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種。個体数も多い。
天敵 捕獲: オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、 キリギリス、ヤブキリ、コロギスなどの捕食性キリギリス類のほか、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類など。
寄生: 不明。


ハミスジエダシャク

端三条枝尺蛾 (シャクガ科)


燈火に飛来した個体
2007/5/24 佐倉市城内町(佐倉城址公園)
ハミスジエダシャク 日本亜種 (シャクガ科 エダシャク亜科)
Hypomecis roboraria displicens  (Butler ,1878)
分布 国内: 北海道,本州,四国,九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では佐渡,対馬で記録されている。
県内: 一部の市街地を除く北総台地~房総丘陵地域に汎く棲息する。
国外: 欧州~シベリア,朝鮮半島など旧北区に汎く分布する。原名亜種は欧州産で,本亜種は日本固有。他にもいくつかの亜種に分けられている。
変異 形態: 国内での地理的変異は知られていないが,色調に若干の個体変異がある。一般に低山地の個体が黒色が強く,寒冷地では白化した個体が多いという。
季節:
性差: 異型。色調や斑紋に差はないが,♂前翅基部には刻孔がある。また,触角は♂が両櫛歯状,♀は糸状。
生態 環境: 各種樹林とその林縁,公園,社寺境内など。
発生: 年1回。5月~7月に見られる。
越冬: ?
行動: 主に夜行性。燈火に飛来することも多い。活動は比較的活発で,夜間に多くの花を訪れる。
食性 幼虫: 食植性/広食性。ブナ科のコナラ,トウダイグサ科のアカメガシワ,マメ科のマルバハギ,ミズキ科のミズキ,バラ科のナシ,リンゴなどの広葉樹のほか,マツ科のカラマツなど。
成虫: 食植性/花蜜。多くの花で吸蜜する。
類似種:
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種で個体数も多い。アトフトオビエダシャクとも呼ばれる。
天敵 捕獲: 徘徊性クモ類,造網性クモ類など。
寄生: 不明。


オオバナミガタエダシャク

大羽波形枝尺蛾 (シャクガ科)


林内で休む春型♂
2004/7/4 館山市大神宮(県立館山野鳥の森)
オオバナミガタエダシャク (シャクガ科 エダシャク亜科)
Hypomecis lunifera  (Butler ,1879)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬、屋久島で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島に分布する。
変異 形態: 亜種区分は認められていないが、一般に北方や高標高地の個体は小型で白っぽく、暖地の個体は黒味が強い。
季節: 比較的明瞭。春型は大きく、夏型は小さい。また夏型は春型より斑紋の色調が黒い。
性差: 異型。♂前翅基部には刻孔がある。一般に♀は♂より大型。触角は♂が櫛歯状、♀は糸状。
生態 環境: 広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、果樹園、公園など。
発生: 年2回。6月~7月(春型)と9月(夏型)に見られる。
越冬: 幼虫(齢数不明)。
行動: 夜行性。燈火に飛来することも多い。日中は薄暗い林内などで休息している。
食性 幼虫: 食植性/広食性。ハンノキ類(カバノキ科)、コナラ、クリ(ブナ科)、ハルニレ(ニレ科)、ズミ、ミヤマニガイチゴ、ウメ(バラ科)などの広葉樹。
成虫: 食植性/花蜜
類似種: 同属のウスバミスジエダシャク、ハミスジエダシャクに似る。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種だが個体数はそれほど多くない。和名は斑紋に由来する。
天敵 捕獲: オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、 キリギリス、ヤブキリ、コロギスなどの捕食性キリギリス類のほか、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類など。
寄生: 不明。


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