モンシロドクガ

紋白毒蛾 (ドクガ科)


燈火に飛来した個体
2006/7/19 千葉市緑区
モンシロドクガ (ドクガ科)
Sphrageidus similis  (Fuessly ,1775)
分布 国内: 北海道,本州,四国,九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き,汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島,シベリア~欧州,千島に分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。斑紋に若干の個体変異がある。
季節: 知られていない。
性差: ほぼ同型。♀は♂よりやや大型。
生態 環境: 広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁,公園,果樹園,人家の庭など。
発生: 年2回。5月~6月,8月~9月に見られる。
越冬: 幼虫
行動: 夜行性。燈火に飛来することも多い。日中は林縁などで休息している。
食性 幼虫: 食植性/バラ科サクラ類ウメナシ,リンゴ,ブナ科コナラクヌギクリなど。
成虫: 不食。成虫は口吻が退化しており,何も食べない。
類似種: 幼虫はキドクガに似る。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種で個体数も多い。有毒種で,きわめて多数の微細な毒針毛を持ち,接触により蕁麻疹状の強いかゆみを伴う皮膚炎を発症する。通常は治癒に10日以上かかる。幼虫だけでなく,蛹の繭や成虫にも幼虫時代の毒針毛を持ち,同様に炎症を起こす。抗ヒスタミン剤やステロイド剤を含む軟膏が効果的。かつて本種の幼虫の黄色型をクワノキンケムシ(モンシロドクガモドキ)と呼んで別種としてきたが,最近は温暖地に多い環境変異型と考えられている。
天敵 捕獲: オオカマキリ,チョウセンカマキリ,ハラビロカマキリなどのカマキリ類,ヤブキリ,コロギスなどの捕食性キリギリス類のほか,造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類,スズメバチ類のほか,クチブトカメムシ類,サシガメ類などのほか,徘徊性クモ類など。
寄生: 不明。


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