クワゴマダラヒトリ

桑胡麻斑燈取蛾 (ヒトリガ科)


カラスザンショウに産卵する♀
2005/9/22 館山市大神宮(県立館山野鳥の森)
クワゴマダラヒトリ (ヒトリガ科 ヒトリガ亜科)
Lemyra imparilis  (Butler ,1877)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬、屋久島で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 台湾、中国大陸(華中・華南)に分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。斑紋に比較的顕著な個体変異がある。
季節:
性差: 異型。♂は頚板と腹部背面を除く全身が暗灰褐色で、♀は黄白色。
生態 環境: 各種樹林とその林縁、果樹園、畑地、公園、社寺境内など。
発生: 年1回。9月に見られる。
越冬:
行動: 夜行性。燈火に飛来することも多い。日中は林縁などで休息している。夕刻以降に活発に飛翔し、交尾する。産卵は翌日の日中に及ぶ。若齢幼虫は枝先の新芽に吐糸して巣を作り、集団生活をする。
食性 幼虫: 食植性/広食性で多くの広葉樹につくが草本も利用している。クワ科のヤマグワ、ブナ科のクリ、コナラ、ヤナギ科のヤナギ類、ユキノシタ科のウツギ、スイカズラ科のガマズミ、サンゴジュ、マメ科のエンドウなどが知られる。
成虫: 不食。成虫は口吻が退化しており、何も食べない。
類似種: ♀はセスジヒトリ、スジモンヒトリ、キハラゴマダラヒトリに似るが、本種の頚板は黄色
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種で個体数も多い。クワの害虫として有名。
天敵 捕獲: オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、ヤブキリ、コロギスなどの捕食性キリギリス類のほか、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類など。
寄生: ヤドリバエ科のBlepharipa sericariae (Rondani)、Carcelia (Carcelia) rasa Robineau-Desvoidy、C. (C.) sumatrana Townsend、Compsilura concinnata (Meigen)、Exorista japonica (Townsend)、Hyleorus elatus (Meigen)、Pales angustifrons (Mesnil)、P. carbonata (Mesnil)、Takanomyia scutellata Mesnilのほか、いくつかの未記載種が知られる。


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