スジモンヒトリ

条紋燈取蛾 (ヒトリガ科)


林縁で休む♀
2003/4/30 千葉市緑区(昭和の森湿性植物園)
スジモンヒトリ 原名亜種 (ヒトリガ科 ヒトリガ亜科)
Spilarctia seriatopunctata seriatopunctata  Motschulsky ,1851
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では伊豆諸島、対馬、屋久島、奄美、沖縄本島で記録されている。
県内: 市街地を含め、汎く全域に棲息する。
国外: 詳細不明。
変異 形態: 周辺離島を中心に顕著な個体変異が知られ、伊豆諸島産(ssp. suzukii (Inoue et Maenami, 1963)、奄美大島産(ssp. nuda  (Inoue, 1976))、沖縄本島産(ssp. azumai  (Inoue, 1982))などが別亜種とされる。斑紋に比較的顕著な個体変異がある。
季節: 比較的明瞭。第2化の個体は明らかに小型。
性差: 春型はほぼ同型、夏型は異型。♂の触角は櫛歯状、♀は歯牙状。夏型♂の後翅は♀よりはるかに赤みが強い。
生態 環境: 各種樹林とその林縁、公園、社寺境内、人家の庭など。
発生: 年2回。4月~6月、7月~9月に見られる。
越冬: 幼虫
行動: 夜行性。燈火に飛来することも多い。日中は薄暗い林縁などで休息している。
食性 幼虫: 食植性/広食性で、クワ科のヤマグワ、クワ、ニレ科のケヤキ、エノキ、バラ科サクラ類などが知られる。
成虫: 不食。成虫は口吻が退化しており、何も食べない。
類似種: 同属のフトスジモンヒトリに似るが、本種のほうが前翅の黒色条斑紋が細い。またセスジヒトリに酷似するが、県内には分布しない。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種で個体数も多い。幼虫は「クマケムシ」とも呼ばれ、黒褐色の長毛を全身に密生するかなり強面のケムシだが、見た目と裏腹に無毒で、触れても平気。
天敵 捕獲: オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、ヤブキリ、コロギスなどの捕食性キリギリス類のほか、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類など。
寄生: 不明。


オビヒトリ

帯燈取蛾 (ヒトリガ科)


燈火に飛来した♀
2006/5/12 千葉市緑区
オビヒトリ (ヒトリガ科 ヒトリガ亜科)
Hyphantria cunea  (Drury ,1773)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬、奄美大島、沖縄本島、石垣、西表で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。に棲息する
国外: 朝鮮半島、中国大陸、台湾、東南アジアのほぼ全域に分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。斑紋にやや顕著な個体変異がある。
季節: 知られていないが、一般に春型は夏型より大型。
性差: ほぼ同型。♂の触角は櫛歯状、♀は歯牙状。
生態 環境: 各種樹林とその林縁。
発生: 年2回。5月~6月上旬、7月下旬~8月に見られる。
越冬:
行動: 夜行性。燈火に飛来することも多い、日中は林縁などで休息している。
食性 幼虫: 食植性/と考えられるが詳細不明。
成虫: 不食。成虫は口吻が退化しており、何も食べない。
類似種: アカハラゴマダラヒトリに似る。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種だが個体数はそれほど多くない。
天敵 捕獲: オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、ヤブキリ、コロギスなどの捕食性キリギリス類のほか、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類などのほか、徘徊性クモ類など。
寄生: ヤドリバエ科のExorista japonica (Townsend)が知られる。


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