フクラスズメ

福来雀 (ヤガ科)


クヌギの樹液を吸う個体
2005/6/26 千葉市緑区
フクラスズメ (ヤガ科 シタバガ亜科)
Arcte coerula  (Guenée ,1852)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では小笠原、対馬、種子島、屋久島、徳之島、沖縄本島、宮古、石垣で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 台湾、中国大陸(華中・華南)~インド、インドシナ、マレー~豪州の東洋熱帯地域に分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。斑紋に若干の個体変異がある。
季節: 知られていない。
性差: ほぼ同型。色調や斑紋、翅形などに差はないが、♀の腹部が♂より太い。
生態 環境: 広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、公園、社寺境内など。
発生: 年2回。6月下旬~8月、10月~翌年4月に見られる。
越冬: 成虫。大木の洞や岩の隙間、人家の軒下などで集団で越冬することが知られている。
行動: 夜行性。燈火に飛来することも多い。日中は薄暗い林内などで休息している。主に日没直後頃から活動を開始、活発に飛翔し、各種広葉樹の樹液に集まる。見た目によらず飛翔は敏速で、歩行も機敏である。幼虫は手を触れると体を左右に振って「イヤイヤ」をする習性がある。
食性 幼虫: 食植性/イラクサ科カラムシナンバンカラムシイラクサヤブマオコアカソラセイタソウ等が主。ほかにそれらに隣接するユキノシタ科のマルバウツギ、クワ科のカナムグラ、ヤマグワなどを食べることもある。
成虫: 食植性/樹液。クヌギやコナラ、ヤナギ類など広葉樹に集まる。
類似種:
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種で個体数も多い。幼虫はかなり派手な色彩のケムシであるが無毒、特に秋に群生しているのが見られる。和名は体型から来たものと考えられる。
天敵 捕獲: オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、 キリギリス、ヤブキリ、コロギスなどの捕食性キリギリス類のほか、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類など。
寄生: 不明。


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