キバラモクメキリガ

黄腹木目切蛾 (ヤガ科)


燈火に飛来した♀
2006/4/19 千葉市緑区
キバラモクメキリガ (ヤガ科 ヨトウガ亜科)
Xylena formosa  (Butler ,1878)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬、屋久島、沖縄本島で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 台湾、中国大陸、ロシア沿海州(アムール)に分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。個体変異も軽微。
季節:
性差: ほぼ同型。外見での区別は困難。
生態 環境: 広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、公園など。
発生: 年1回。10月~翌4月に見られる。
越冬: 成虫。休眠は浅く、風の弱い温暖な夜には活動する。
行動: 夜行性。燈火に飛来することも多い。日中は林縁などで休息している。夜間に活発に飛翔し、各種広葉樹の樹液を訪れる。卵は食樹の葉表に150個~200個の卵塊で産付されるが、いくつかの無精卵が混入する。孵化は一斉で、若齢時には弱い集合性があり、危険を感じると吐糸して垂下する習性があるが、中齢以降にはこの習性は失われ、分散する。中齢以降の幼虫は食樹の葉表で体の前半を持ち上げ、くるっとうちに丸めた姿勢で静止しているが、若齢幼虫は葉裏で葉脈上に体を伸ばして静止する。
食性 幼虫: 食植性/。典型的な広食性。バラ科のナシ、サクラ類、ブナ科のコナラ、クヌギ、モクレン科のシデコブシ、マメ科のエニシダなどの広葉樹のほか、マメ科のエンドウ、ケシ科のタケニグサ、タデ科のギシギシ類、イタドリ類、キク科のゴボウ、キクイモ、ナス科のタバコ、ラン科のセッコクなど。やや雑食性の傾向があり、餌が不足すると共食いすることもある。
成虫: 食植性/樹液。各種広葉樹の樹液に集まる。
類似種:
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種。もっとも普通に見られるキリガ。
天敵 捕獲: オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、 キリギリス、ヤブキリ、コロギスなどの捕食性キリギリス類のほか、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類など。
寄生: 不明。

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