エビガラスズメ

(海老)殻雀蛾 (スズメガ科)


林縁で静止する個体
2006/5/28 千葉市緑区
エビガラスズメ (スズメガ科 スズメガ亜科 スズメガ族)
Agrius convolvuli  (Linnaeus ,1758)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では伊豆、小笠原、対馬、種子島、屋久島、奄美大島、沖縄本島、伊江島、宮古、伊良部、石垣、西表、与那国、大東諸島で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 広域分布種。旧北区、東洋区、エチオピア区、太平洋地域に汎く分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。個体変異も軽微。
季節: 知られていない。
性差: 異型。♂は触角と前翅の斑紋が明瞭だが、♀はやや不明瞭。
生態 環境: 各種樹林の林縁、畑地、公園、人家の庭など。
発生: 年2回。5月~7月上旬、9月~11月に見られる。
越冬: 。軟らかい土中などに土窩を作って蛹化し、そのまま越冬する。
行動: 夜行性。夕刻~夜半にかけて多くの花を訪れるが、主な活動帯は19:00~20:00頃。燈火に飛来することも多い。飛翔は非常に敏速で、低く大きな羽音を立てて飛び、活動は活発だが、日中は林縁などで休息している。幼虫は多型で、緑色~褐色まで様々なタイプのものが見られる。蛹化は主に土中や落葉にもぐって行われる。
食性 幼虫: 食植性/ヒルガオ科サツマイモヒルガオアサガオユウガオ、ルコウソウが中心。他にマメ科のフジマメ、アズキ、ナス科のタバコなど。
成虫: 食植性/花蜜。夜間多くの花で吸蜜する。
類似種: コエビガラスズメに似るが本種のほうがはるかに大きい。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種。個体数も多い。和名は腹部の斑紋に由来する。
天敵 捕獲: オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、ヤブキリ、コロギスなどの捕食性キリギリス類のほか、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類など。
寄生: ヒメバチ科ヒメバチ亜科のクロヒメバチ(Amblyjoppa cognatoria (Smith, 1874))、クロハラヒメバチ(Quandrus pepsoides (Smith, 1852))が知られる。


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