分布 |
国内: |
北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼での記録はない。 |
県内: |
市街地を除き、汎く全域に棲息する。 |
国外: |
シベリアに分布する。本亜種は日本固有。 |
変異 |
形態: |
北海道産は別亜種(ssp. diana (Oberthür, 1886))とされ、シベリア産を含む。翅の色調に若干の個体変異がある。 |
季節: |
- |
性差: |
ほぼ同型。触角は♂は両櫛歯状、♀は微毛状。♀の腹部は♂よりはるかに大きい。また、一般に♀は♂より大型。 |
生態 |
環境: |
広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、社寺境内、公園など。 |
発生: |
年1回。10月下旬~11月に見られる。 |
越冬: |
卵。 |
行動: |
夜行性。見かけによらず飛翔は比較的敏速である。燈火に飛来することも多い。この性質は特に♂で顕著。♂♀共に夜半から夜明け前に活発に飛翔する。羽化した♀は繭にぶら下がったままフェロモンを出して♂を呼び寄せ交尾する。その後、繭にいくつか産卵してから飛び去る習性がある。幼虫は刺激すると発音するという。 |
食性 |
幼虫: |
食植性/葉。広食性だが広葉樹に限られる。ブナ科コナラ属のコナラ、クヌギ、カシワ、バラ科のサクラ類、ニレ科のケヤキ、カエデ科カエデ類、カバノキ科のハンノキ類など。 |
成虫: |
不食。成虫の口吻は完全に退化しており、何も食べない。 |
類似種: |
- |
保 護: |
指定されていない。 |
その他: |
普通種だが、個体数はそれほど多くない。繭の独特な形状からヤマカマス(山叺)、ツリカマス(吊叺)などと呼ばれている。 |
天敵 |
捕獲: |
オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類など。 |
寄生: |
ヤドリバエ科のBlepharipa sericariae (Rondani)、Exorista sorbillans (Wiedemann)、ヒメバチ科ヒラタヒメバチ亜科のマイマイヒラタヒメバチ(Pimpla luctuosa Smith, 1874)、クロフシヒラタヒメバチ(Pimpla pluto Ashmead, 1906)が知られる。 |