ウスタビガ

薄手燈蛾 (ヤママユガ科)


燈火に飛来した♂
2005/11/21 千葉市緑区
ウスタビガ 原名亜種 (ヤママユガ科 ヤママユガ亜科 ヤママユガ族)
Rhodinia fugax fugax  (Butler ,1877)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼での記録はない。
県内: 市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: シベリアに分布する。本亜種は日本固有。
変異 形態: 北海道産は別亜種(ssp. diana  (Oberthür, 1886))とされ、シベリア産を含む。翅の色調に若干の個体変異がある。
季節:
性差: ほぼ同型。触角は♂は両櫛歯状、♀は微毛状。♀の腹部は♂よりはるかに大きい。また、一般に♀は♂より大型。
生態 環境: 広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、社寺境内、公園など。
発生: 年1回。10月下旬~11月に見られる。
越冬:
行動: 夜行性。見かけによらず飛翔は比較的敏速である。燈火に飛来することも多い。この性質は特に♂で顕著。♂♀共に夜半から夜明け前に活発に飛翔する。羽化した♀は繭にぶら下がったままフェロモンを出して♂を呼び寄せ交尾する。その後、繭にいくつか産卵してから飛び去る習性がある。幼虫は刺激すると発音するという。
食性 幼虫: 食植性/広食性だが広葉樹に限られる。ブナ科コナラ属のコナラ、クヌギ、カシワ、バラ科のサクラ類、ニレ科のケヤキ、カエデ科カエデ類、カバノキ科のハンノキ類など。
成虫: 不食。成虫の口吻は完全に退化しており、何も食べない。
類似種:
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種だが、個体数はそれほど多くない。繭の独特な形状からヤマカマス(山叺)、ツリカマス(吊叺)などと呼ばれている。
天敵 捕獲: オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類など。
寄生: ヤドリバエ科のBlepharipa sericariae (Rondani)、Exorista sorbillans (Wiedemann)、ヒメバチ科ヒラタヒメバチ亜科のマイマイヒラタヒメバチ(Pimpla luctuosa Smith, 1874)、クロフシヒラタヒメバチ(Pimpla pluto Ashmead, 1906)が知られる。


メイン