ヤママユ

山繭蛾 (ヤママユガ科)


林縁で休む♂
2002/9/6 館山市国分
ヤママユガ 原名亜種 (ヤママユガ科 ヤママユガ亜科 ヤママユガ族)
Anthaea yamamai yamamai  (Guérin-Méneville, 1861)
分布 国内: 北海道、本州,四国,九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬,屋久島、奄美大島、沖縄本島。
県内: 市街地を除き、汎く全域に生息する。
国外: 朝鮮半島、沿海州(ウスリー)に分布する。
変異 形態: 北海道産(ssp. ussuriensis Schachbazov, 1953)と奄美大島・沖縄本島産(ssp. yoshimotoi Inoue, 1965)は別亜種とされる。このほか、黄灰色~赤褐色まで、色彩に個体変異が大きい。
季節:
性差: ほぼ同型。翅形や斑紋に差はないが、♂は♀より触角が長く両櫛歯状。
生態 環境: 食樹の生育する環境で、広葉樹林が中心。特に低山地の里山に個体数が多い。
発生: 年1回。7月~9月に見られる。
越冬:
行動: 夜行性。夜間燈火によく飛来し、翌朝街灯の下などでじっとしている個体を見ることが多い。活動はあまり活発でなく、飛翔は緩やか。
食性 幼虫: 食植性/ブナ科コナラクヌギ、ミズナラ、カシワ、クリシラカシアカガシアラカシなどのほか、バラ科サクラ類、リンゴなど。
成虫: 不食。口器が退化しているため何も食べない。
類似種: クスサンに似る。
保 護: 指定されていない。
その他: 種小名は「山繭」の意。和名は、本種の蛹の繭から上等の絹糸が採れることに由来する。長野県などではその絹糸(天蚕糸)を採るため放飼している地方がある。また同様の目的で移入された欧州では、大発生して森林害虫化している例もあるという。普通種だが個体数は多くない。
天敵 捕獲: オオカマキリ、チョウセンカマキリなどの大型カマキリ類、大型の造網性クモ類など。
寄生: 幼虫にはヤドリバエ科のカイコノウジバエ(Blepharipa sericariae (Rondani))、マガタマハリバエ(Epicampocera succincta (Meigen))、クワゴヤドリバエ(Exorista sorbillans (Wiedemann))、クロツヤケブカハリバエ(Fausta nemorum (Meigen))、卵にはホソナガコバチ科のシロオビタマゴバチ(Pseudanastatus albitarsis )などが知られる。


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