分布 |
国内: |
北海道、本州,四国,九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬,屋久島、奄美大島、沖縄本島。 |
県内: |
市街地を除き、汎く全域に生息する。 |
国外: |
朝鮮半島、沿海州(ウスリー)に分布する。 |
変異 |
形態: |
北海道産(ssp. ussuriensis Schachbazov, 1953)と奄美大島・沖縄本島産(ssp. yoshimotoi Inoue, 1965)は別亜種とされる。このほか、黄灰色~赤褐色まで、色彩に個体変異が大きい。 |
季節: |
- |
性差: |
ほぼ同型。翅形や斑紋に差はないが、♂は♀より触角が長く両櫛歯状。 |
生態 |
環境: |
食樹の生育する環境で、広葉樹林が中心。特に低山地の里山に個体数が多い。 |
発生: |
年1回。7月~9月に見られる。 |
越冬: |
卵。 |
行動: |
夜行性。夜間燈火によく飛来し、翌朝街灯の下などでじっとしている個体を見ることが多い。活動はあまり活発でなく、飛翔は緩やか。 |
食性 |
幼虫: |
食植性/葉。ブナ科のコナラ、クヌギ、ミズナラ、カシワ、クリ、シラカシ、アカガシ、アラカシなどのほか、バラ科のサクラ類、リンゴなど。 |
成虫: |
不食。口器が退化しているため何も食べない。 |
類似種: |
クスサンに似る。 |
保 護: |
指定されていない。 |
その他: |
種小名は「山繭」の意。和名は、本種の蛹の繭から上等の絹糸が採れることに由来する。長野県などではその絹糸(天蚕糸)を採るため放飼している地方がある。また同様の目的で移入された欧州では、大発生して森林害虫化している例もあるという。普通種だが個体数は多くない。 |
天敵 |
捕獲: |
オオカマキリ、チョウセンカマキリなどの大型カマキリ類、大型の造網性クモ類など。 |
寄生: |
幼虫にはヤドリバエ科のカイコノウジバエ(Blepharipa sericariae (Rondani))、マガタマハリバエ(Epicampocera succincta (Meigen))、クワゴヤドリバエ(Exorista sorbillans (Wiedemann))、クロツヤケブカハリバエ(Fausta nemorum (Meigen))、卵にはホソナガコバチ科のシロオビタマゴバチ(Pseudanastatus albitarsis )などが知られる。 |