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燈火に飛来した♀ | ||
2007/9/22 佐倉市城内町(佐倉城址公園) |
クスサン 原名亜種 (ヤママユガ科 ヤママユガ亜科 ヤママユガ族) |
Saturnia japonica japonica (Moore ,1872) |
分布 | 国内: | 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬、屋久島、奄美大島、沖縄本島で記録されている。 |
県内: | 一部の市街地を除き、北総台地~房総丘陵地域に棲息する。 | |
国外: | 台湾、シベリアに分布する。本亜種にはシベリア産を含む。 | |
変異 | 形態: | 奄美以南~台湾産は別亜種(ssp. ryukyuensis (Inoue, 1984))とされる。色調に顕著な個体変異がある。 |
季節: | - | |
性差: | 異型。触角は♂が両櫛歯状、♀は歯牙状。♂は一般に♀より斑紋のコントラストが顕著。 | |
生態 | 環境: | 広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、公園、果樹園、社寺境内など。幼虫・蛹は樹上性。 |
発生: | 年1回。9月~10月に見られる。 | |
越冬: | 卵。 | |
行動: | 夜行性。燈火に飛来することも多い。活動は比較的活発で、飛翔は敏速。卵は食樹の枝などに数個~20個程度の塊で産付される。老熟幼虫は樹上に網目状の繭を作り、その中で蛹化する。 | |
食性 | 幼虫: | 食植性/葉。広食性。ブナ科(クヌギ・コナラ・ミズナラ・カシワ・クリ)、バラ科(サクラ類・ナシ・リンゴ)、ニレ科(エノキ・ケヤキ)、クルミ科(オニグルミ)、クスノキ科(クスノキ・タブノキ)、カキノキ科(カキノキ)、ミソハギ科(サルスベリ)、ウルシ科(ヤマウルシ・ヌルデ・ハゼノキ)、トウダイグサ科(アカメガシワ)、カツラ科(カツラ)、ヤナギ科(ヤナギ類)、ショウガ科(ミョウガ)などが知られる。 |
成虫: | 不食。口吻は退化しており、羽化後は何も食べない。 | |
類似種: | - | |
保 護: | 千葉市:B | |
その他: | 普通種だが、近年減少傾向が著しい。その姿から幼虫は「シラガタロウ」、繭は「スカシダワラ」などとも呼ばれている。また幼虫には先端の鋭い棘があり、接触すると肌の弱い人はかぶれることがあるが、比較的短時間で治癒するという。 | |
天敵 | 捕獲: | 大型のカマキリ類や徘徊性クモ類,造網性クモ類など。幼虫はスズメバチ類やクチブトカメムシ類,サシガメ類などのほか,徘徊性クモ類など。 |
寄生: | ヤドリバエ科のBlepharipa sericariae (Rondani)、Exorista sorbillans (Wiedemann)、ヒメバチ科ヒラタヒメバチ亜科のマイマイヒラタヒメバチ(Pimpla luctuosa Smith, 1874)、クロフシヒラタヒメバチ(Pimpla pluto Ashmead, 1906)が知られる。 |
ヤママユガ科 | 生態 | 幼生 | 飼育 | トップ |
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燈火に飛来した♂ | ||
2005/11/21 千葉市緑区 |
ヒメヤママユ 原名亜種 (ヤママユガ科 ヤママユガ亜科 ヤママユガ族) |
Saturnia jonasii jonasii (Butler ,1877) |
分布 | 国内: | 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬、屋久島で記録されている。 |
県内: | 市街地を除き、汎く全域に棲息する。 | |
国外: | シベリアに分布する。本亜種は日本固有。 | |
変異 | 形態: | 北海道産は別亜種(ssp.fallax Jordan, 1911)とされ、シベリア産を含む。翅の色調に若干の個体変異がある。 |
季節: | - | |
性差: | ほぼ同型。触角は♂は両櫛歯状、♀は微毛状。♀の腹部は♂よりはるかに大きい。また、一般に♀は♂より大型。 | |
生態 | 環境: | 広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁、社寺境内、公園など。 |
発生: | 年1回。10月~11月に見られる。 | |
越冬: | 卵。 | |
行動: | 夜行性。燈火に飛来することも多い。この性質は特に♂で顕著。飛翔は比較的敏速である。 | |
食性 | 幼虫: | 食植性/葉。広食性だが広葉樹に限られる。バラ科のサクラ類、ウメ、モモ、ナシ、スモモ、スイカズラ科のサンゴジュ、ガマズミ、ブナ科コナラ属のコナラ、クヌギ、ミズキ科のミズキ、ユキノシタ科のウツギ、カエデ科カエデ類、クルミ科のオニグルミ、ニレ科のエノキ、ケヤキなど。 |
成虫: | 不食。成虫の口吻は完全に退化しており、何も食べない。 | |
類似種: | - | |
保 護: | 指定されていない。 | |
その他: | 普通種だが、個体数はそれほど多くない。中齢幼虫と繭は先端の鋭い棘を持ち、接触により体質によっては軽い発赤を生じることがあるが、短時間で治癒するという。 | |
天敵 | 捕獲: | オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類など。 |
寄生: | ヤドリバエ科のBlepharipa sericariae (Rondani)、Exorista sorbillans (Wiedemann)、ヒメバチ科ヒラタヒメバチ亜科のマイマイヒラタヒメバチ(Pimpla luctuosa Smith, 1874)、クロフシヒラタヒメバチ(Pimpla pluto Ashmead, 1906)が知られる。 |
ヤママユガ科 | 生態 | 幼生 | 飼育 | トップ |