分布 |
国内: |
北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬、屋久島、トカラ列島で記録されている。 |
県内: |
一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。 |
国外: |
朝鮮半島、中国大陸に分布する。なお、本種はインド北部に分布するB. religiosae Helfer (=hutttoni Westwood) の亜種の可能性が指摘されている。 |
変異 |
形態: |
現時点では地理的変異は知られていない。色調に若干の個体変異がある。 |
季節: |
知られていない。 |
性差: |
異型。♂♀共に触角は両櫛歯状だが、♂は枝が♀より長い。一般に♀は♂よりはるかに大きい。 |
生態 |
環境: |
各種樹林の林縁、畑地、公園、人家の庭など。 |
発生: |
年2回。6月~7月、10月~11月に見られる。 |
越冬: |
卵。 |
行動: |
夜行性。夕刻~夜半にかけて燈火に飛来する。飛翔は比較的緩やかである。♀はあまり動かず、腹端からフェロモンを出して♂を呼ぶ。卵は食樹の枝の分岐部などに数個の卵塊で産付される。幼虫は老熟すると葉を数枚綴り、その中に繭を作って蛹化する。 |
食性 |
幼虫: |
食植性/葉。クワ科のヤマグワ、クワ。 |
成虫: |
不食。成虫の口吻は完全に退化しており、何も食べない。 |
類似種: |
オオクワゴモドキに似る。 |
保 護: |
指定されていない。 |
その他: |
普通種だが、個体数はそれほど多くない。絹糸をとるカイコの原種とされ、カイコとの雑種F1世代は妊性があるという。またカイコの「家蚕」に対して「野蚕」とも呼ばれ、繭からはやや褐色味を帯びた風合いの良い絹糸がとれる。 |
天敵 |
捕獲: |
オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリなどのカマキリ類、コロギスなどの捕食性キリギリス類のほか、造網性クモ類など。幼虫はジガバチなどのアナバチ類、スズメバチ類のほか、クチブトカメムシ類、サシガメ類など。 |
寄生: |
ヤドリバエ科のBlepharipa sericariae (Rondani)、Exorista sorbillans (Wiedemann)、ヒメバチ科ヒラタヒメバチ亜科のマイマイヒラタヒメバチ(Pimpla luctuosa Smith, 1874)、クロフシヒラタヒメバチ(Pimpla pluto Ashmead, 1906)が知られる。 |