分布 |
国内: |
北海道(南部)、本州、四国、九州。島嶼では佐渡、伊豆大島、隠岐、対馬、壱岐、五島列島、種子島、屋久島。平地~低山地が分布の中心。 |
県内: |
一部の市街地を除き、ほぼ全域に棲息する。 |
国外: |
朝鮮半島南部、台湾、中国(中南部)、インドシナ北部~アッサム。原名亜種は中国大陸中部産 をさす。日本産は分布の北東限にあたる。 |
変異 |
形態: |
それほど顕著ではないが地理的変異があり、かつて対馬産は原名亜種とされたが、本亜種に統一されたようである。 |
季節: |
比較的明瞭。斑紋が相違する。春型(第1化)と夏型(第2化~)が知られる。 |
性差: |
ほぼ同型。斑紋や翅形に差はないが、♂の後翅表前縁に暗褐色の毛束があり、後翅裏面中室前縁脈は♀より太い。 |
生態 |
環境: |
食草の自生する樹林周辺。やや薄暗い林縁的環境を好む。人家周辺などにも生息する。 |
発生: |
通常年3回~4回。寒冷地では2回。 県内では4月下旬~10月中旬まで見られる。 |
越冬: |
幼虫(終齢)。 |
行動: |
昼行性。飛翔は緩やかで、長時間飛び続けることはなく、すぐに下草上などにとまる。気温の低いときなどには翅を開いて日光浴することもあるが、基本的に静止時には翅を閉じる。 |
食性 |
幼虫: |
食植性/葉。イネ科のイネ、エノコログサ、オヒシバ、メヒシバ、アシボソ、ススキ、カヤツリグサ科のカサスゲ、ヒメスゲ、タケ科のアズマネザサ、ハチク。 |
成虫: |
食植性/樹液・腐果・汚物。訪花性は弱く、花で吸蜜することは稀。クヌギやコナラ(ナラ類)、アカガシ、アラカシ、シラカシ(カシ類)、ヤナギ類などの樹液や カキやイチジクなどの腐果、汚物などによく集まるが、地上で吸水することはない。 |
類似種: |
コジャノメに酷似するが、裏面の斑紋が相違する。 |
保 護: |
指定されていない。 |
その他: |
- |
天敵 |
捕獲: |
虫はアシナガバチ類、スズメバチ類、サシガメ類、クチブトカメムシ類、ハエトリグモ類、ハナグモ類。成虫は、ヤンマ類、トンボ類、ヤブキリ、ウマオイなどの捕食性キリギリス類、オオカマキリ、チョウセンカマキリなどの大型カマキリ類、造網性クモ類、ハナグモ類など。 |
寄生: |
ヤドリバエ科のノコギリハリバエ(Compsilura concinnata (Meigen))、Isosturmia intermedia Townsend、キナコハリバエ(Senometopia excisa (Fallen))、マダラヤドリバエ(Sturmia bella (Meigen))など知られる。 |