分布 |
国内: |
北海道、本州、四国、九州(宮崎以北)。島嶼では対馬のみ。一般に山地性の傾向を示し、産地での個体数はそれほど多くない。 |
県内: |
房総丘陵地域が分布の中心で、北総では稀。 |
国外: |
朝鮮半島、沿海州、中国(東北部~中部)、台湾山地。原名亜種は沿海州産。 |
変異 |
形態: |
国内での地理的変異は知られていない。 |
季節: |
- |
性差: |
ほぼ同型。斑紋に差はないが、一般に♀は♂より白色斑紋が発達する。また、♀は♂より大型で、翅形が丸みを帯びる。 |
生態 |
環境: |
広葉樹を中心とする各種樹林とその林縁。林縁や渓流などのやや暗い環境を好む。 |
発生: |
年1回。暖地では5月中旬~7月中旬 、寒冷地では6月中旬~8月上旬に姿を見せる。 |
越冬: |
幼虫(4齢)。 葉の基部に吐糸して落ちないように固定し、枯葉と一緒に冬を越すため、枝先の落ちていない枯葉を捜すとたいてい見つかる。 |
行動: |
昼行性。飛翔は比較的敏速で、樹冠などの高所を軽快に旋回滑空する。吸水などのとき以外はあまり地上付近に下りてくることはない。 |
食性 |
幼虫: |
食植性/葉。カエデ科のイロハモミジ、ヤマモミジ、イタヤカエデ、オオモミジ、チドリノキ、メグスリノキなど。葉が大型の種よりも小型の種を好む。 |
成虫: |
食植性/花蜜・汚物。訪花性は弱いが、稀にリョウブ、ショウマ類、クリなどの白色系の花で吸蜜することがある。♂♀共に吸水性が強く、湿地で吸水し汚物で吸汁する。 |
類似種: |
コミスジと似るが、大きさと斑紋が相違する。 |
保 護: |
千葉県:C、千葉市:B、東京都:D(区部・北多摩)、神奈川県:V、埼玉県:NT2(EX/大宮台地)、群馬県:NT。 |
その他: |
- |
天敵 |
捕獲: |
幼虫はアシナガバチ類、スズメバチ類、サシガメ類、クチブトカメムシ類、ハエトリグモ類、ハナグモ類。成虫は、ヤンマ類、トンボ類、ヤブキリ、ウマオイなどの捕食性キリギリス類、オオカマキリ、チョウセンカマキリなどの大型カマキリ類、造網性クモ類、ハナグモ類など。 |
寄生: |
幼虫に寄生するヤドリバエ科のノコギリハリバエ(Compsilura concinnata (Meigen))、キナコハリバエ(Senometopia excisa (Fallen))、カイコノクロウジバエ(Pales pavida (Meigen))、Zenillia dolosa (Meigen)などが知られる。 |