分布 |
国内: |
北海道(北部を除く)、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では佐渡、伊豆大島、八丈島、佐渡、隠岐、対馬、壱岐、五島列島、種子島、屋久島で記録されている。 |
県内: |
一部の市街地を除き、ほぼ全域に棲息する。 |
国外: |
朝鮮半島、沿海州、台湾山地、中国(東北部、北部~中部)、シベリア、ヒマラヤ、中央アジア~欧州(南東部)までユーラシア大陸の北部~中部に汎く分布する。原名亜種は欧州産。 |
変異 |
形態: |
やや顕著な地理的変異が知られており、かつてはいくつかの亜種に分けられていたが、現在は本亜種に統一された。 |
季節: |
やや不明瞭。春型(第1化)と夏型(第2化~)が知られる。 |
性差: |
ほぼ同型。斑紋に差はないが、一般に♀は♂より大型で、翅形が丸みを帯びる。♂の後翅表前縁には光沢のある灰白色の性標をもつ。 |
生態 |
環境: |
平地~山地までの樹林周辺。日当りのよい林縁的環境を好む。都市近郊にも生息する普通種。 |
発生: |
多化性。通常年2回~3回。5月上旬~9月下旬に見られる 。北海道では2回、九州では3回~4回発生する。 |
越冬: |
幼虫(終齢)。 食草の根際の枯葉の隙間などで見つかる。 |
行動: |
昼行性。飛翔は緩やかで、あまりはばたくことなく滑空する 。日中、♂は弱い占有性を示し、領域内に入った他の♂を追飛することもある。 |
食性 |
幼虫: |
食植性/葉。マメ科のクズ、フジが主。他にはナンテンハギ、ニセアカシア、ヤブマメなど。関東地方ではクズが主。葉を食べるが亜終齢までは中脈を残す。 |
成虫: |
食植性/花蜜・樹液・腐果・汚物。訪花性は強く、ヒメジョオン、ウツギ、イボタノキ 、クリ、イタドリ、ノコンギクなど、主に白色系の花を好む。クヌギ、コナラ、ヤナギ類など樹液や腐果などにも集まり、♂は汚物で吸汁することも多い。♂は湿地で吸水する。 |
類似種: |
ミスジチョウと似るが、大きさと斑紋が相違する。 |
保 護: |
東京都:A(区部) |
その他: |
奄美諸島以南には近似の別種リュウキュウミスジを産し、本種との代置関係にあるようである。 |
天敵 |
捕獲: |
幼虫はアシナガバチ類、スズメバチ類、サシガメ類、クチブトカメムシ類、ハエトリグモ類、ハナグモ類。成虫は、ヤンマ類、トンボ類、ヤブキリ、ウマオイなどの捕食性キリギリス類、オオカマキリ、チョウセンカマキリなどの大型カマキリ類、造網性クモ類、ハナグモ類など。 |
寄生: |
幼虫に寄生するヤドリバエ科のノコギリハリバエ(Compsilura concinnata (Meigen))、Weingaertneriella longiseta (Wulp)、カイコノクロウジバエ(Pales pavida (Meigen))、Zenillia dolosa (Meigen)などが知られる。 |