分布 |
国内: |
本州のみ。北海道、四国、九州及び島嶼からの記録はない。 |
県内: |
九十九里平野などに産地が点在する。分布はきわめて局地的。 |
国外: |
国外には分布せず、現在のところ日本特産種とされる。 |
変異 |
形態: |
国内での地理的変異は知られていない。 |
季節: |
不明瞭。斑紋が相違する。春型(第1化)と夏型(第2化~)が知られる。 |
性差: |
ほぼ同型。一般に♀は♂より大型で、翅形が丸みを帯び、白色部が発達するが不明瞭であるため、腹端を精査する必要がある。 |
生態 |
環境: |
各種樹林とその林縁。特に日当りのよい林縁的環境を好む。イチモンジチョウより陽性。 |
発生: |
通常年3回。寒冷地では1回~2回。温暖な年には第4化が発生することがある。6月上旬~9月中旬に見られる。一般にイチモンジチョウより半月程度発生が遅れる。 |
越冬: |
幼虫(3齢)。食樹の葉の基部を中脈から内側に張り合わせて巣をつくり、その中に潜む。 |
行動: |
昼行性。飛翔はイチモンジチョウよりも遅く緩やかで、はばたきと滑空を繰り返し、やや低い場所を直線的に飛ぶ。 |
食性 |
幼虫: |
食植性/葉。スイカズラ科スイカズラ属のスイカズラ、キンギンボク、タニウツギ属のタニウツギ、ヤブウツギ、ニシキウツギ。主に葉を食べるが亜終齢までは中脈を残す特異な習性がある。 |
成虫: |
食植性/花蜜・汚物。訪花性は強く、ヒメジョオン、ノイバラ、ウツギ、イボタノキ、クリ 、イタドリ、リョウブ、シシウド、スイカズラ、ソバなどの主に白色系の花を好む。♂は湿地で吸水することもあるが、♂♀共に汚物や腐果に集まることは稀。 |
類似種: |
イチモンジチョウと酷似するが、斑紋が若干相違する。かつては同種とされていた。 |
保 護: |
千葉県:B、千葉市:X、東京都:D(区部・北多摩・南多摩・西多摩)、神奈川県:V。 |
その他: |
近縁種のイチモンジチョウと混棲することがあるが個体数は少なく、本種は生息 していないことが多い。ただ、地域によっては本種が優占種となることもある。 |
天敵 |
捕獲: |
幼虫はアシナガバチ類、スズメバチ類、サシガメ類、クチブトカメムシ類、ハエトリグモ類、ハナグモ類。成虫は、ヤンマ類、トンボ類、ヤブキリ、ウマオイなどの捕食性キリギリス類、オオカマキリ、チョウセンカマキリなどの大型カマキリ類、造網性クモ類、ハナグモ類など。 |
寄生: |
幼虫に寄生し終齢幼虫から脱出するコマユバチ類が知られるが未同定。 |