分布 |
国内: |
北海道、本州、四国、九州。四国と九州の南半部には分布しない。島嶼からの記録はない。 |
県内: |
市街地を除くほぼ全域に棲息するが、北部では稀。 |
国外: |
朝鮮半島、沿海州(アムール)、台湾山地、中国大陸東北部~チベットに分布する。原名亜種は日本、朝鮮半島、中国(東北部)産をさす。 |
変異 |
形態: |
国内での地理的変異は知られていない。 |
季節: |
- |
性差: |
ほぼ同型。大きさや斑紋に差はないが、♀は♂より翅形が丸みを帯びる。 |
生態 |
環境: |
平地の里山や低山地の落葉広葉樹林。林内などの暗い環境を好む。環境変化には比較的適応力があり、開発から取り残されたような里山環境にも棲息することがある。 |
発生: |
年1回。本州の平地では5月下旬、寒冷地では7月上旬に出現する。 |
越冬: |
卵。ただし、卵内では年内には幼虫体が形成されている。 |
行動: |
昼行性(黄昏)。日中はほとんど活動せず、夕刻から活発に活動するが、日没直前がそのピークとなる。飛翔は緩やかで、梢の上などをとまることなくさまようように飛ぶ。産卵は食樹の小枝の分岐部や休眠芽の基部などに1個ずつ行われるが、母チョウによって完璧なまでにカムフラージュされており、発見するのはきわめて困難。産卵位置についてははっきりない面もある。 |
食性 |
幼虫: |
食植性/新芽・若葉。ブナ科落葉樹のコナラ、クヌギ、アベマキ、ミズナラ 、カシワ、ナラガシワなど(ナラ類)が主。稀にウラジロガシ、アカガシ、アラカシ、シラカシなどのブナ科常緑樹(カシ類)でも生育する。若齢時は新芽に食い入り内部を食べ、中齢以降は若葉を食べる。 |
成虫: |
食植性/花蜜。訪花性は強く、クリ、シシウド 、ウツギ、イボタノキ、ハシドイなど主に白色系の花で吸蜜する。 |
類似種: |
チョウセンアカシジミ、キタアカシジミなどに酷似するが、県内には分布しない。 |
保 護: |
千葉県:C、東京都:D(区部) |
その他: |
開発などにより近年減少傾向にある種。 |
天敵 |
捕獲: |
幼虫はアシナガバチ類、スズメバチ類、サシガメ類、クチブトカメムシ類、ハエトリグモ類、ハナグモ類。成虫は、ヤンマ類、トンボ類、ヤブキリ、ウマオイなどの捕食性キリギリス類、オオカマキリ、チョウセンカマキリなどの大型カマキリ類、造網性クモ類、ハナグモ類など。 |
寄生: |
ヒメバチ科ヒメバチ亜科のアカシジミヒメバチ(Anisobas diminutus (Uchida, 1926))が知られる。 |