分布 |
国内: |
本土全域。 島嶼では国後、礼文、利尻、奥尻。平地~山地にかけて汎く分布する。 |
県内: |
一部の市街地を除き、ほぼ全域に棲息する。 |
国外: |
樺太、千島(中南部)に分布する。標式産地は「日本」とのみ記されている。 |
変異 |
形態: |
若干の地域差が知られるが、亜種区分は認められていない。 |
季節: |
明瞭。翅の斑紋や大きさなどに差はないが、前翅縁毛の斑紋が相違する。春型(第1化)と夏型(第2化~)が知られる。 |
性差: |
ほぼ同型。斑紋には差はないが、♀は♂より大型で、翅形が丸みを帯びる。また、♂は前翅表前縁に緑灰色の長毛束をもつ。 |
生態 |
環境: |
樹林周辺のササ、タケの群落地周辺。比較的日当たりのよい林縁的環境を好む。 |
発生: |
通常年2回。 4月中旬~5月中旬、7月上旬~8月上旬に姿を現す。暖地では温暖な年に第3化が発生することがある。寒冷地では年1回春型のみが出現する。 |
越冬: |
幼虫(終齢)。食草の葉を巻いた巣の基部を噛み切って巣と共に地上に落下し、その中に潜む。翌春そのまま摂食せずに蛹化する。 |
行動: |
昼行性。飛翔は敏速で、直線的に飛ぶ。♂は夕方に枝先などにとまり、占有性を示す。日光浴などの際には後翅全開、前翅半開の姿勢をとる。 |
食性 |
幼虫: |
食植性/葉。タケ科メダケ属のアズマネザサ、メダケ、ゴキタケ。 他にササ属のクマザサ、デンツクザサ、トクガワザサ、アオスズ、ミヤコザサなど。葉を食べる。 |
成虫: |
食植性/花蜜・汚物。訪花性は強く、ハナショウブ、アザミ類、タンポポ類、シオン類、ウツギ、イボタノキ、ホウセンカ 、シシウド、オカトラノオ、ハギ類、ツルボなどさまざまな花で吸蜜する。花のほかに汚物などにも集まり、吸い戻し行動も知られる。♂は湿地でよく吸水し、ときに大集団を形成することがある。 |
類似種: |
- |
保 護: |
指定されていない。 |
その他: |
- |
天敵 |
捕獲: |
幼虫はアシナガバチ類やサシガメ類、クチブトカメムシ類、ハエトリグモ類。成虫は、ヤンマ類、トンボ類、大型~中型カマキリ類、造網性クモ類。 |
寄生: |
ヤドリバエ科のノコギリハリバエ(Compsilura concinnata (Meigen))、Thecocarcelia actangulata (Macquart)、ヒメバチ科コンボウアメバチ亜科のAgrypon halpee (Uchida, 1958)が知られる。 |