コラム

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私とバラ 1

白いバラ

10年前くらいに始めてバラの苗木を5~6本買ってきて、庭に植えたのが始まりです。
その後、毎年毎年、必ず何本かずつバラの苗木を買っては半分ぐらい枯らしておりました。それまでは仕事か研究に夢中で一本の草花もさわったことがなかった私ですので、今になって何回考えても、どうしてバラを植えようと思ったのか動機は全く不明です。無理やりに思い起こせば、アメリカ(ボストン)に共同研究のために1年間留学しておりました時に、開放的なアメリカの庭や花壇にあこがれを抱いていたように思いますが、私が実際に花を触るとは夢にも思いませんでした。 私の性格は一旦やりだすと、どんどんエスカレートしてやってしまうところがあるのでしょうか。たくさんの数のバラを枯らしましたが、少しずつ学習をして、植え替え時期のこと、土や肥料のこと、剪定や消毒のことなどを学習していき、いまでは毎週、日曜日はほぼ1日中、庭で過ごすことが多く、それでもまだ追っつかないくらいにバラの数も増えてしまいました。 その後は、バラだけにしておけばよいものの、近年のガーデンニングブームによって沢山の種類のすばらしい季節の花の苗が、どこでも簡単に入手できるようになり、私も暇があれば園芸店を覗くことが多く、知らないうちに無数の植木鉢が並ぶようになりました。その一部が、私どものクリニックの玄関に並んでおります。数年前までは私は大変なゴルフ好きでしたが、今はゴルフの時間をすべて花に奪われており、それに伴ってどんどんお腹がでてきておりますが、お腹を引っ込めるにはバラをはじめ花達をすこし疎遠にしないとダメかなとも考える今日この頃です。

当院発行「えびすのクリニックだより」より

私とバラ2

黄色のバラ

先月号に続いて私のバラ講義?をさせていただきます。バラの世話は本当に1年中かかります。しかし、ほぼ1年中楽しめます。3月初めからの新芽の芽生え、やがて蕾をつけ1日1日と成長し、本当に神様からの授かりもののような素晴らしい1番花が咲きます。その後、春のバラ達はいっせいに咲きだし、この1ヶ月くらいがもっとも楽しい時期です。夏も上手に世話をしてやると何とか花を咲かせることもできます。そして真夏だけ一時休止しますが、再度10月中旬から11月には、本当に色のきれいな秋のバラが楽しめます。この時期のものは春に比べて数は少なく次々とは咲かないですが、色調が本当にきれいですよ。 12月から2月くらいの寒いときがバラの移植に良い時期です。最近のバラはほとんどが野バラの木に接木されていますが、いわゆる大苗(2年苗)というのが晩秋から冬に植えます。なお、新苗といわれる苗は春に植えますが、木の成長をうながすために花の蕾をとったりするようなことも必要でなかなか難しく、失敗しないのは大苗を冬に植えることです。 バラを植える時期は、日当たりと風通しが良く、水はけがよい場所が最高なのです。しかし、この3つのすべてを満たす場所などはとてもないですので、少しでも良い条件のところを探せばよいと思います。その中で日当たりが1番重要ですが、最低3時間あたればバラは見事に咲いてくれると言われています。もちろん鉢植えでも十分立派なバラが見られますが、かなり大きなものが必要になります。そして、バラを植える前にはしっかりと有機質主体の原肥(油かす、乾燥牛糞、骨粉など)と科学肥料(窒素:燐酸:カリ=10:10:10くらいのものが良いです)を与えておきます。その後、私は春の花がたくさん咲くまでは2週間に1回くらい液体肥料を与え続けます。 ちょうど今がバラを植える良い時期です。1株からやってみてください。ご希望なら実地指導?もいたしますのでご連絡ください。今月はここまでとして次号は薬剤散布や剪定・整枝などについてお話します。

当院発行「えびすのクリニックだより」より

私とバラ3

ピンクのバラ

12月の終わりから寒い冬の間がバラを作る人には、春にきれいなバラを見るための準備期間で大変つらい時期です(私目が年をとってきているので”しんどさ”がこたえるようになったのでしょうか?)。春から初冬までたくさんの花を楽しませてもらったバラ達にしっかりお礼をするために、お礼肥え尾という寒肥料を十分に与えます。私は有機主体の原肥(油かす、乾燥牛糞、鶏糞、骨粉など)と科学肥料(窒素:燐酸:カリ=10:10:10くらいのものがよいです)を十分に与えています。その際にはバラの根元の土をスコップでしっかり掘り返すようにして耕し肥料を埋め込みます。これが本当につらいのですが原肥はできるだけ年内に済ますようにします。私の場合は例年、正月休みがすべてこのための作業で費やされています。なお、以前にも書きましたが12月から2月くらいの寒いときがバラの移植に非常に良い時期です。最近のバラはほとんどが野バラの木に接木された、いわゆる大苗が晩秋から冬に売り出されます。このような大苗を植えるとまず失敗せず、春にはきれいなバラの花を楽しめますので是非ともトライしてみてください。
冬の間はまだまだ重要な作業がありゆっくりできません。年末から正月にかけての時期に私は仮剪定といっていますが、長く伸びたバラの木を長めに切ってしまい、新芽の出はじめるまで待機します。つるバラの剪定と誘引はこの時期に(1月中)に行ないますが、これをやっておかないと芽が動き出すと誘引などの作業が難しくなります。そして通常のバラは2月の中旬くらいに新芽が吹き出す頃にもう一度よい新芽を確認しながら、しっかりと強剪定します。この時は弱小枝を思いきって切り、新しい枝や太い枝の外側の芽を残すようにします。全体の大きさは50cmくらいに切りつめてしまってもいいです。バラの木はしっかり栄養を与えますので新芽が出てくるとすぐに大きくなります。思いきってしっかり剪定しておくほうが春には大きくりっぱな花が楽しめます。
今月のバラ達の写真は大好きな人が多いマチルダ(フロリバンダローズ、中輪四季咲き)のさまざまな表情を見てください。このバラは春はもちろんのこと秋も花つきがよく、気温や湿度により微妙にピンクの色が変化しますので大変楽しみです。ただ、唯一の欠点は香りがないことですが、このバラはけなげにいつも最後まで元気よく咲いてくれ、少し大げさですが希望を与えてくれます。このバラはよく私のクリニックに飾っていますので春にはご覧になってください。なお、今月は表紙もマチルダです。

当院発行「えびすのクリニックだより」より