横浜中華街発ニューヨーク行き
横浜山手中華学校 王 節子
☆The rainbow doragon
New York,Yokohama,海を越えたプロジェクトがスタート!
2000年が幕開けした。私たちの学校の所在するこの横浜中区には、中華街という華僑・華人のパワーあふれる異空間の地域があり、その特異性を生かし、中華街に関わる5つの学校(横浜市立港南商業高校、横浜市立港中学校、横浜市立元街小学校、横浜中華学院、横浜山手中華学校)と、ニューヨークのチャイナタウンにある公立学校、PSI(学校名)との交流、共同制作が7月末実現したのである。
今年は、“イヤー・オブ・ザ・ドラゴン”ということもあり、西暦2000龍年を記念して、両都市のチャイナタウンに住む人々が龍の背中に乗って未来へ向かって翔んでいくというコンセプトのもと、総勢100名近い子どもたちが、発案、制作、搬入、展示、作業までやってのけたのである。
その名も、“レインボードラゴン”。中国では吉祥の象徴とされる龍が、虹とからんで登場することや、大陸をつなげる掛け橋となる意を込めて、来るべく21世紀へ平和と夢と希望を込め名付けられた。
6月中旬からスタートしたこのプロジェクトは、龍の背に乗る人形作りを始め、龍頭、背景、写真のコラージュタワー制作、運搬、設営までも10才〜17才までの国籍、文化、言語を超えた子どもたちによって推進されたことが大きな特徴と言える。
しかし、そこにはチャイナタウンという地域に共通する土壌があり、そのことを意識せずにはこの共同制作は実現できなかったと言える。
ニューヨークと横浜、地球のまったく裏側同士にある見知らぬ場所に、子どもたちは熱い想いを寄せ、まだ見ぬ友達へのメッセージを造形活動に込め、そして作品の一つ一つに魂を注入していったのである。
私にとっても、メモリアル的な作品になった「レインボードラゴン」。芸術には、言語や人種、国籍を越え、時空までも超越して人間同士を近づけ、親しくさせるパワーがあることを改めて痛感した。
現在(2000年8月)、この作品は横浜中華街の西門通りにある九龍陳列窓という展示スペースに飾られている。この大会の会期中に、ぜひ足を運んでみていただきたい。
そして、龍に込められた、子どもたちの平和への熱いメッセージとみずみずしい感性を味わって欲しい。
●創立30周年 日本美術教育会 夏の研究大会での発表 Japan Art
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