2007年大学社会人ドラフトも全体的にプロ入りレベルの選手が少なく、高校生ドラフト同様BIG3といわれる、東洋大・大場翔太、愛工大・長谷部康平、慶応大・加藤幹典に指名が集まった。その中でも大場投手は例年でもドラフト目玉クラスの投手、長谷部投手も同様で、やや落ちるものの例年でも1位クラスなのが加藤投手と評価した。大場投手の獲得をできた球団は必然的に100点、長谷部投手、加藤投手も補強ポイントと合致していれば90点の評価。外した球団は80点からの採点とする。
100点 福岡ソフトバンク、東北楽天
90点 千葉ロッテ、東京ヤクルト
85点 広島、阪神
80点 読売
75点 横浜、中日、日本ハム
70点 オリックス
65点 西武 |
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ポイント |
評価 |
オリックス |
70点 |
チームの軸となるエース投手の指名をポイントに大場投手の指名をしたが抽選で外し、次候補でチームの左腕エースとなるべく篠田投手の指名も外した。結局青学大・小林投手を指名、本格派の典型投手だが一つ一つの球にまだまだ力が足りないためパワーアップの期間が必要であることは間違いない。 |
東京ヤクルト |
90点 |
加藤投手の単独指名に成功した。他球団の評価が大場、長谷部になった感もあるが、大舞台で強いハートを持った左腕で、高校時からここまで着々と成長をしているだけにプロでも成長が期待できる点を見ても、ドラフト1位として申し分ない。鬼崎選手は守備では社会人NO1でポスト宮本を担う選手になれる。打撃面を磨きたい。岡本投手はたまたま見たことがあるが、ゆるい変化球投手というイメージで強い印象は無かった。大きなカーブで翻弄する左腕で、中継ぎでの登板が考えられる。
全体的に左腕投手の指名にこだわり2枚を獲得できたことで評価は90点 |
埼玉西武 |
65点 |
大場投手の指名を目指すも動きが遅く、左腕投手としてNO1の長谷部投手を指名したが抽選で外した。次候補でも服部投手を外し、左腕の獲得を断念、JR東日本東北の平野投手を指名した。186cmの長身から140km前後の投球を繰り広げるオーソドックスな右腕で、早くから名前が挙がっていた投手とはいえ、1位指名としてはやや不十分か。藤原投手は鳥取城北出身で180cmの長身から146kmの速球をマークする投手。勢いのある投手。福岡ソフトバンクもマークをしていたが先に獲得できた。
松坂の穴がまだ感じられる指名で、やや物足りない印象。 |
広島東洋 |
85点 |
左腕投手を補強ポイントに長谷部投手を指名したが抽選で外し、次候補で篠田投手を指名、読売、オリックスとの抽選の結果獲得した。3位で内野手小窪、4位で外野手松山を指名し、広島らしい素質を持った野手を指名。小窪選手は守備に定評があり、広島式教育で打撃を安定させれば2番3番を打てる選手になる。FAで新井選手が抜けた影響を感じさせるドラフトでもあった。 |
東北楽天 |
100点 |
長谷部投手を見事に獲得した運の強さは驚いた。福盛が抜け、抑えの小山もやや不安定なだけに、抑え候補、中継ぎ左腕候補の長谷部投手は必ず欲しかった投手といえる。140km中盤の速球をマークする左腕はまだ発展途上だが、岩瀬投手のように育って欲しい。3位で捕手伊志嶺、4位で聖澤選手を指名した。嶋捕手が独り立ちしたように見えるが、控え捕手が薄かったチームにとって、嶋捕手にとっても良い指名。聖澤選手も巧打の外野手で、内野手としても安定した守備を誇るなどオールラウンドなプレーヤー。全体的にポイントもバランスも良い指名でチームの底上げが出来たといえるドラフトだった。 |
横浜 |
75点 |
エースになれる投手が欲しいということから、左腕投手よりも優先して大場投手の指名をした。抽選で外し、小林太志投手を指名。昨年より評価が高かったもののなかなか結果を見せていない投手だけに、ページをめくってみないとわからない。ただし三浦、寺原に次ぐ3番手としては期待したい投手。また3位では150kmの完全試合投手・桑原投手を思いがけず指名できたといえる。スライダーは特徴的で先発としても中継ぎとしても即戦力級の活躍が期待できる。高校生ドラフト同様1位は残念だったが3位でややすくわれたというドラフトだった。ただしチーム人数の関係もあるとはいえ、左腕投手は1枚でも欲しかった所。 |
福岡ソフトバンク |
100点 |
6球団の抽選から見事大場投手を引き当てた。斉藤や新垣がやや不安定となり右のエース級が必要だっただけに、これはうれしいだろう。強力先発陣は今後も続き優勝戦線から外れる事は当分無いだろうと考えられる指名だ。3位では藤原投手や伊志嶺投手も候補に挙げていたであろうが残念ながら他球団に指名され、久米投手を指名。はまったときの変化球の鋭さとインコースの強烈な攻めは、プロでも脅威となりそう。タイプの違う先発を指名し、投手陣は厚くなった。野手陣に不安があるため、来年は野手の指名となるか。 |
阪神 |
85点 |
野手は新井の獲得が濃厚で、先発不足の克服をポイントに望んだ。大場投手獲得を早くから決めていたが残念ながら抽選で外し、白仁田投手を指名した。140km後半の速球が魅力だが、今年はケガにより活躍できなかった。ケガの箇所が気になる話も聞くが克服できれば先発としても抑えとしても活躍できる大きな投手。
3位石川投手はフォークが持ち味で即戦力という見方をすると、大場投手についで面白い投手といえる。上園が活躍したが同じ感じの印象で、精神的に強くなれば活躍できる投手。黒田投手はまったく知らなかったが、190cmで149kmを投げる投手とすると面白い素質を持っている。育成枠のようなイメージで3年を目途に評価したい選手。 |
千葉ロッテ |
90点 |
高校生ドラフトで右腕を獲得したほか、若手の右腕投手がひしめくチームにとって、左腕をポイントにしたのは間違いない。長谷部投手を指名できれば満点だったが、抽選で外し、服部投手を西武、日本ハムと競合の末獲得した。また3順目で中継ぎ左腕候補の根本投手を獲得でき、藤田投手を戦力外にした部分の穴は埋まった。薮田、小林の移籍が確実視される中で、社会人を育てるのに定評のあるチームらしく、JR東日本の伊藤、日本生命の下敷領投手を指名。抑えの穴を埋め切れていないが、戦力アップは達成した。 |
中日 |
75点 |
地元長谷部投手を指名するも抽選で外し、予定通り山内投手を指名した。上位球団なので、3位は厳しかったが、守備を重視して谷内野手を指名。荒木、井端の次世代を担う内野手を獲得できた。福留が抜ける可能性が高いチーム事情からやや物足りない指名といえる。 |
北海道日本ハム |
75点 |
1位は驚きの多田野投手の指名。大学時はものすごい実績だがメジャーでも成功することができておらず、その部分を差し引いても力としては1位としては物足りないと思われる。しかも本人はメジャー志向が強く入団も微妙といえる。3位宮西は前評判は高かったものの他球団が回避した。安定した投球をする左腕と言うことで印象はあまり無いが、選手育成に定評のある日本ハムに期待したい。俊足の村田外野手は面白い存在。足でかき回す事ができ、読売の高校生ドラフト1位藤村にも匹敵する力の持ち主。 |
読売 |
80点 |
大場投手を早くから1位に挙げていたが残念ながら抽選で外し、大場を回避しても指名したいという話もあった篠田投手も獲得できなかった。村田投手は上原の後輩という事で縁もあるが、引っかかる点もあるものの全体としては好投手。スライダー、ストレートとも中の上で、まだまだ育つ余力も多くあると思う。秋に復活し個人的には評価している。古川投手もまた個人的に評価している投手で中継ぎ左腕としては申し分ないコントロールと強さを持っている、が、秋の不調の原因がわからないため不安な面もある。加地前選手はスラッガータイプだが俊足で守備も素晴らしい選手で意外と早く1軍でプレーできるのではないかと思われる。
3人とも実践向きな選手を獲得し意外と良い指名。 |