2010年12球団ドラフト評価

球団 点数 総評(ざっくりと) ※個別評価は1球団づつ行ってゆきます。
横浜 90  NO1投手の大石投手にチャレンジも縁が無かった。1位須田投手は実力派投手で小林太よりも安定感の高い勝てる投手。細山田とのコンビの楽しみ。2位は岩見投手がいる中で地元の実力派・加賀美投手を指名。150km近い速球を武器にするスケールの大きな投手。変化球を使うがキレがない球もあるのでそれが課題か。4位の小林投手、6位の福山投手も実力があり、この4投手によって大石投手の分は十分カバーできている。荒波選手の3位指名は驚いたがここまで高い評価だと、何かを掴んでいるのかと思いたくなる。大原投手もスライダーの良い一芸を持っている。
 今年は大学生の特に右腕投手が多い中で、そこを重点的に指名したことは、私は評価しています。
東北楽天 95  星野監督が重視をしているポジションで、チームの弱点でもあるリリーフエースの獲得で大石投手を指名したが叶わず。そのため2位で美馬投手を指名したが、美馬投手も社会人の実力派投手で抑えとして期待に応えてくれるでしょう。また長谷部や藤原が勝ちきれていない中で塩見投手を指名できたことは非常に大きいと思います。阿部内野手に将来の中軸に育って欲しい榎本選手、勧野選手を4位5位で指名できたことで、十分に内容の濃いドラフトでした。
広島東洋 95  チームの弱点であった抑え投手の獲得を狙い大石投手を指名も残念な結果になった。しかし福井投手はまだ若干不安定も気の強さ、負けん気の強さは折り紙つきで、前田健太と同じチームになったことは非常に素晴らしい。黒田と大竹の復帰があれば、正直恐ろしい投手陣となる。中村投手は篠田投手よりも粗いが強いストレートを投げる。金丸投手も同じタイプで成長途中のこれらの投手をうまく育てる事が球界として重要な役割。岩見投手は違ったタイプの左腕で、西武帆足や日本ハム武田勝のような勝てる投手になりそう。
 野手のポイントを指名することは出来なかったが、左腕にポイントを当てた十分な指名だった。
オリックス 80  岡田監督の重点ポイントである抑え投手獲得に大石投手を指名したが、チームの投手力は高く野手がポイントだった。小瀬選手の件などもあり層が薄い外野手で伊志嶺、将来の主軸を任せられる山田を獲得できなかった事は正直ダメージが大きい。「伊志嶺の所で山田を指名しとけば」と考えても仕方ないが、岡田監督は「情報不足だった」というコメントしている。後藤選手は西武が2位指名予定の選手でオリックスは2位で指名する予定だっただろうが、繰り上げて指名となった。高校生野手は甲乙をつけるのが難しく、山田選手との差というのはわからない。素晴らしい素質を持っている選手なので、外れ外れ外れ1位を逆に意識してライバルを追い抜いて欲しい。2位では三ッ俣選手を指名できた、3位では伊志嶺選手が取れなかった事により宮崎選手を指名した。繰上げての指名となり投手指名まで手が回らなかったな感はあるが、野手の不足感を十分に補うドラフトだったと思う。
東京ヤクルト 85  昨年から1位指名を公言し追い続けた斎藤投手を指名できなかった事は本当に残念だっただろう。また左の塩見投手も獲得できなかったのだが、エースが獲得できないのであれば主軸候補の野手の方がいいと思っていた。なので山田選手の獲得はいい指名だったと思う。2位は1位で獲得できなかった投手として七條投手を指名した。都市対抗での安定度を見るとハイレベルな先発投手で他球団の評価も低くなかった。ただ感じとして他にも指名したかった選手が先に取られたのではないかとも思えるが。3位4位では北照バッテリーを指名。ベテラン捕手が少ないが、期待の中村捕手がいる中で捕手の3位指名は思い切った指名だと思ったが、又野投手同様に強打の選手なので主軸候補としての指名か。
 全体的にバランスの良い指名だが、少し物足りなさも感じる。
北海道日本ハム 110  斎藤投手を獲得できたことは本当に大きい。ダルビッシュとクレバーな投手論を繰り広げて成長できるし、ダルビッシュが海外移籍の可能性がある以上、後任のエースとして十分すぎるくらい頼りになる。今から楽天田中投手との対戦がいつになるのかが本当にワクワクする。乾投手が他球団の指名も考えられる中、2位で西川選手指名した。高い評価だったのだろうと考えられる。そして3位で乾投手も獲得できた。会心の指名だったと推測する。4位で先発として期待できる榎下投手、5位でイチロー2世といわれる谷口投手も獲得でき、申し分ないだろう。
読売 100  1位沢村投手は人気を元にした核心的な戦略により重複なく獲得できた。今年は同じ右投手の候補も多く、その状況も見越しての戦略で戦う前に相手を下すことができたのは大きい。しかし戦略だけでなく、沢村投手の157kmのストレートや変化球は一級品で申し分ないが、斎藤と比べても飛びぬけてるわけではなく、大石6球団、斎藤4球団、沢村1球団という結果は妥当な評価だと思っている。沢村投手の良いところは成長力と対応力。プロでも成長し続けスピードに対応できる選手だろう。宮國投手は予定通り。ヤクルトや広島が抽選を外して2位で指名できなくなり指名できたことは満点だろう。田中投手もセンスが高く、小山投手も実力十分。4人だったが楽天同様、内容の濃い指名となった。
千葉ロッテ 90  ヤクルトと同じく昨年から1位を公言し、右のエース候補としてポイントとも十分一致していた斎藤投手を獲得できなかったのは本当に残念だろう。代わりに指名したのは伊志嶺選手。昨年荻野、清田といった外野手が1年目から活躍し、サブローとともに素晴らしい外野陣を形成したが荻野がケガで離脱するとチームの状態が悪くなるなど層はまだ厚くない。ポストサブローとしてリーダーシップもあり長打もある伊志嶺選手は素晴らしい指名だと思う。1位で斎藤投手が指名できず、2位3位では南、小林敦と実力派投手を指名した。南投手は今は調子を落としているが、150kmもマークしカーブで粘り強い投球ができ、小野投手にスピードを着けた感じの投手、小林投手はストレートのコントロールを軸とした非常にスマートなスタイルで、先発時の小林宏のような雰囲気を持っている。課題の捕手も小池、江村と大学高校で補強し、最後は藤谷で希望もある。ポイントとも合致したいい指名となった。
阪神 90  1位のくじ運が良くないが、今年も縁がなく大石投手の抽選を外した。しかし榎田投手を獲得できて課題の左腕投手のポジションに当てはまった指名となり、最初から榎田投手だったとしても違和感が無い。2位4位で一二三、岩本投手を指名。一二三は実力的にはドラフト1位クラスのものを持っているもののそれを3年生になって伸び悩んでいた点で昨年の秋山投手に近い。持っているものを見つけられれば1軍でブレークするのも早そう。岩本投手は軸のしっかりした投手で安定度は高く、確実性が高いためこちらも1軍デビューは早そうだ。将来性のある打撃もある中谷捕手に、実力派の荒木内野手も獲得でき充実した指名となった。
埼玉西武 100  左腕といいながら、勝てる右投手を指名してきた。渡辺監督は大石投手を先発で考えているが大学でも何度か試みた先発でなぜか失敗している。大石投手の特性を見極めて活躍させて欲しい。また牧田投手の安定感は社会人でも1、2を争うと思っている。渡辺俊介のような緩い球を使うよりは、インコースに攻めの投球をするのでタイプ的に違う。二人の投げ合いを見てみたい。
 おかわりくんと主軸を組めそうな秋山選手や、中島が抜けて片岡を遊撃手に回した時にセカンドで十分実力をみせるであろう林崎選手の獲得もいい指名となった。個人的には熊代がどんな活躍を見せるか、期待したい。
中日 100  1位大野投手はチームの状態が良く余裕をもった球団の余裕のある戦略で、横浜や広島ではこの指名はできないだろう。肩のケガは気になるもののそれを克服したときに、左腕の育成がうまい中日で大野投手がどんな投手になるのか計り知れない。2位でも1位候補だった吉川選手を獲得し立浪選手のような将来の中心選手も獲得できた。実力派の武藤投手、俊敏な守備の森越選手に加え、持っている素質は本当に素晴らしい関投手を指名できて、当初3人程度と言っていたが5人を獲得したことは、大成功の指名だったことだろう。
福岡ソフトバンク 85  1位は右のエースの獲得を狙った。抑えがしっかりしており、右のエース候補が伸び悩んでいるチーム事情で最適の指名だった。昨年の今宮選手の指名からの流れで次世代の野手を指名している感じで、山下捕手は打撃、肩、リーダーシップ全てに高校NO1と思っている。また2位柳田選手も打撃についてはアベレージを残しているものの未知数だが、肩の強さは超一級でプロでも観客を驚かすだろう。3位以降は若手投手指名で、3位で井の一番で指名した南投手は本当に欲しかった投手なのだろう。ただそれ感じとしては欲しかった即戦力投手が他球団に指名されてしまったかなという印象もある。