2005年9月30日の神戸新聞の記事がある。
「飛躍期す“怪物君” 元三田リトルシニア・近田投手」
報徳学園の中等部に松坂を超える怪物候補がいた。140q/h近いストレートとスライダーで全国大会で31イニング47奪三振をマーク、チームをベスト4に導いた左腕投手、近田怜王。続く世界大会でも24イニングで45奪三振をマークする。しかしキューバ、アメリカに敗れ4位となった。4月には報徳学園の高等部に進学し、関西高校野球界では早くから期待が高まっていた。
1年秋には期待通りの活躍をみせ、145q/hをマークし、近畿大会に出場。近畿大会では中田翔に本塁打を浴びたものの大阪桐蔭を1失点に抑え成し遂げた。左腕で145qをマークする1年生投手にプロ球団も注目し、西武ライオンズが"怜王"にかけて早くも2年後のドラフト1位候補に名前を挙げた。
近田投手は間違いなく世代を代表する選手だった。
しかし、2年生で代表投手は大きく躓いた。期待されたセンバツ大会では初戦で室戸高校に1−2で敗れる。近田投手は2失点で抑えたものの、ストレート・変化球にキレが無かった。「夏までには本来の力を出してくるだろう」という見方が強かった。
夏、予選を勝ち抜き甲子園出場を果たし、春のリベンジとなるべき1回戦。相手は東北の強豪・青森山田高校。やはりストレートやスライダーに1年秋の様なキレがなかった。5回までは無失点に抑えたものの6回に1失点すると7回には両足に痙攣が発生し降板、そのままチームは0−5で敗れた。痙攣の原因は熱中症によるもので、熱中症で倒れたりする選手はその恐怖感が残り苦しむというが、近田投手もその恐怖感に襲われ、秋の大会では1試合も登板せず、2年生が終わった。1年生の時の評価は徐々に消えていった。
高校生では中日スカウトが注目していた岐阜城北の伊藤投手。2年生ながら146kmのストレートをマークしていた。また中学時141qをマークしジャイアンツカップで優勝、多くの高校からの誘いを断り地元・東海大三に進学した甲斐投手。沖縄で1年時から140q中盤のストレートを投げていた沖縄尚学の東浜投手、浦添商業の伊波投手なども候補として挙がっていた。
大学生で注目されたのは2005年の甲子園で活躍した広島県の二人。
一人は広陵高校の上本博紀選手。名門広陵では16年ぶりの1年生レギュラーとなり、2003年の第75回センバツではリードオフマンとして打率.571をマーク、涌井、成瀬のいる横浜高校を15-3でやぶり、全国制覇を果たした。あと1安打でセンバツ歴代NO1となる成績だった。
85回大会では2回戦で敗れたものの10打数連続出塁(打率10割)という驚異的な活躍を見せている。3年になり強肩を買われて捕手としてセンバツに出場するものの初戦で敗れ、夏は広島商業に敗れて甲子園出場をすることなく高校野球が終わった。プロ入りを回避し早稲田大学に進学してからも1年生からセカンドのレギュラーとして定着し1年春には盗塁王に輝くなど活躍を見せた。
もう一人は広島商業の岩本貴裕選手。高校通算52本塁打、投げても146qをマークする左腕投手として注目され、3年夏には上本率いる広陵をやぶり、見事甲子園出場を果たした。甲子園では初戦で敗れ活躍を見せることはできなかったが、ドラフト候補として非常に高い評価を受けていたものの大学へ進学。亜大に入り、1年秋には2部で3本塁打を放ち一部復帰の原動力となると、2年春には4本塁打15打点と活躍した。
広島・松田オーナーは2009年からの新球場オープンもあり、2006年のドラフト後に早くも「2008年ドラフトのために岩本、上本を徹底マークする」と発言、スカウトを配置するなどしていた。
また投手では近畿大学の巽投手が2007年の春季リーグ戦で、京都大学を相手に23奪三振のリーグ記録をマークすると、翌週の同志社戦ではノーヒットノーランを達成。149qのストレートと非常にキレの良いスライダーで大学投手NO1の評価を受けていた。
社会人では2007年のドラフトでも1位確実と言われていた153q右腕・新日本石油ENEOSの田沢純一投手が、「チームに恩返しができていない」とドラフト指名を回避。また2006年のドラフトで日本ハム4位指名を拒否したホンダ・長野久義選手、同じドラフトで直前に評価が急上昇し上位指名候補に挙がったがすでに決まっていた日本通運に入社した野本圭選手、そして2006年横浜2位指名を拒否し、その後西武からの裏金をもらっていたことが発覚し1年間の謹慎処分となっていた、東京ガス・木村投手などの動向に注目が集まっていた。
いずれにしてもドラフトの目玉となるべき確実性に欠け、誰が最終年に力を発揮してドラフトの中心になるのかを探り合う展開となっていた。
まず注目はドラフト制度の改革であった。昨年の話し合いで高校生と大学社会人の分離ドラフトが廃止され、再び1つのドラフトで行われることがすでに決まっており、その方法や時期をめぐり議論されていた。実行委員会やアマチュア協会の動向にも注目が集まっていた。
恒例となった年始の候補者詣で。各球団の方針が明らかになってくる。まずは当初の予想通り広島が岩本、上本を上位候補にリストアップした。日本ハムは新日本ENEOSの田沢投手と2年前に拒否をされた長野選手、早大の松本外野手を上位候補にリストアップした。ヤクルトは東京ガス・木村投手を、横浜は新日本石油の田沢投手を、阪神は巽投手をマーク、西武も早大・松本選手をリストアップするなど、各球団の上位候補がばらつき、ドラフトの中心選手が見えない形がはっきりとした。
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上位候補 | 松本 木村 |
大野 野本 |
田沢 巽 |
巽 坪井 小松 上本 松本 大野 |
田沢 長野 松本 |
伊藤 宮本 甲斐 巽 榊原 伊原 野本 |
松本 木村 野本 土屋 |
岩本 上本 高島 近田 |
木村 | 巽 長野 岩本 |
田沢 細山田 |
まずドラフト制度に動きが見られた。ドラフト上位の選択方式で協議されていたが、1位は抽選方式、2位以降がウエーバーとなり決着を見た。ひとまずかつてのドラフト指名方法となり落ち着きを見せたが、これが秋に再び議論を呼ぶことになる。
アマチュア大会のスタートとなる社会人スポニチ大会で田沢投手が大活躍、3月23日のJFE東日本戦で先発し、18奪三振を奪い大会記録を打ち立てた。8回で152qをマークするなどスピードコントロール、変化球のキレとも申し分ない投球だった。その後、抑え登板し新日本石油が優勝を果たした。昨年ドラフトを回避し残留した成果を見せつけた。
センバツではもう一人のヒーローが全国を制覇する。沖縄尚学の東浜巨投手。146qのストレートと抜群の制球力で奪三振数は少ないものの力の違いを見せつけた一気に全国制覇を成し遂げた。大会ではほかにも千葉経済大付の斎藤投手、聖望学園の大塚投手、東洋大姫路の佐藤投手などが140q中盤の速球を見せてスカウトから高い評価を受けた。
大学野球では東洋大が春のリーグ戦を制覇、大野捕手が乾投手、上野投手を巧みにリードしチームをけん引して見事MVPに輝く。プロ顔負けのキャッチング技術とリード注目が集まった。早稲田大学の上本選手は打率.173と大スランプに陥り、3年秋までに通算16本塁打をマークし記録更新の期待が集まっていた亜大・岩本選手も春はわずか1本、打率も.183と低迷した。
大野捕手はそのまま大学選手権も制覇し、大学NO1捕手として大学NO1選手の評価も受けた。
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上位候補 | 松本 木村 |
大野 東浜 野本 |
田沢 巽 大野 榊原 |
巽 小松 上本 松本 大野 甲斐 杉山 |
東浜 田沢 長野 松本 |
伊藤 宮本 甲斐 巽 榊原 伊原 野本 |
松本 木村 野本 土屋 |
岩本 上本 高島 近田 |
東浜 井上 木村 |
巽 長野 岩本 有馬 中崎 |
田沢 巽 細山田 |
夏の予選が始まり、大物選手が名乗りを上げた。東海大相模・大田泰示選手。同校で行われた宮崎商業との練習試合、同じくドラフト上位候補の赤川投手との対戦に注目が集まり、その赤川投手からバックスクリーンに場外本塁打を放ち、12球団のスカウトも高い評価をした。そしてつづく神奈川予選で神奈川県新記録となる1大会5本塁打をマーク。慶應との決勝戦で敗れたものの、十分の活躍を見せた。ようやく現れた今年のドラフト目玉候補にプロスカウトも活気づいた。
一方春の選抜を制した東浜投手は好調をキープし無失点記録を継続していたが、アクシデントもあり沖縄大会決勝で浦添商業・伊波投手の前に涙をのんだ。東浜投手は大学進学を明言し、亜大へ進むことになる。
夏の大会では、大阪桐蔭が浅村選手の大活躍や選手個々の能力の高さで全国を制覇した。浦添商業の伊波投手、千葉経済大付の斎藤投手、宮崎商業の赤川投手、智弁和歌山で昨年の甲子園で仙台育英・佐藤由から本塁打を放って注目されていたスラッガー・坂口選手、仙台育英のリードオフマン・橋本選手、土屋投手、松本内野手などドラフト候補をそろえる横浜高校などが活躍を見せたが、昨年の佐藤由のような目玉となる選手は現れなかった。
大会が終わると、夏の去った涼しい秋風のように、甲子園を目指して戦った選手たちがドラフトではなく大学への進学を表明していった。
智弁和歌山・坂口選手、千葉・東総工で12球団注目の捕手だった杉山捕手、横浜高校の松本内野手、大阪桐蔭の福島投手などである。
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上位候補 | 松本 木村 |
大野 甲斐 大田 |
田沢 巽 大野 榊原 |
大田 赤川 大野 巽 小松 上本 松本 甲斐 |
大田 田沢 赤川 松本 浅村 |
伊藤 宮本 甲斐 巽 榊原 伊原 野本 |
田沢 長野 松本 木村 野本 土屋 斎藤 |
岩本 上本 大田 中田 |
野本 | 赤川 井上 木村 |
大田 巽 長野 有馬 中崎 |
大田 田沢 巽 細山田 |
そして9月に入るとスカウトの間の激震が走る。
まず東海大相模の大田選手が、東海大への進学の意向。原監督にあこがれ、4年後に読売ジャイアンツ入りを目指すとの噂が流れた。
また、都市対抗でも優勝を果たした新日本石油ENEOSの田沢投手が、日本球界に進まず、直接メジャー入りを目指すことを表明する。この動きはプロ側に強い衝撃を与え、アマチュアから直接メジャーに行く事を制限するようにアマチュア野球側に求めるなど活動を行い、対策を検討する協議会も開催された。
ようやく目玉となるべき選手が決まったと思われたプロ球界も再び混迷することとなる。
田沢投手がメジャー行きを表明し、プロへの断りの連絡を入れた。このことによりプロ側の態度が硬直化し、「ドラフト会議を拒否しメジャーに進んだ選手に対し、メジャーからの日本球界入りは数年間禁止する」という愚策を発表する。何の対策も考えていなかったNPBの慌てぶりを明らかにさせた。
そんな中、10月15日の高校生プロ志望届最終日になり、ドラフト戦線が大きく活気づいた。東海大進学を表明していた東海大相模の大田選手がプロ志望届をギリギリになって提出。新聞やネットでは「大田は読売以外なら進学。」というニュースで沸き立った。
そして社会人のドラフト1位候補で2年前に日本ハムを拒否していた長野選手も再び読売希望を表明。他球団は読売の1位大田、2位長野の単独指名を指をくわえて見ることになるのか、強行指名をするのかが注目された。
主役不在のまま10月30日を迎え、各球団ともドラフト1位は当日まで他球団の様子を見ながら決定することになった。当日まで全く指名がわからない球団もあった。
注目としては
1.大田、長野選手への強行指名があるのか
2.田沢投手の指名があるのか
の2点が世間への注目点となり、ドラフト当日を迎えることになる。
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1位予想 | 中崎 | 大田 | 大田 | 松本 | 大田 藤江 |
大田 野本 |
松本 | 岩本 | 大田 | 赤川 | 大田 | 巽 |
1位実際 | 中崎 | 大田 | 甲斐 | ×松本 ×藤原 蕭 |
大野 | 野本 | 木村 | 岩本 | ×野本 藤原 |
赤川 | ×大田 巽 |
松本 |
結局、大田選手には読売と福岡ソフトバンクの2球団が競合、抽選の結果大田選手の希望通り、読売1位が確定。早稲田大の松本外野手には横浜と阪神が競合し、横浜が抽選を獲得。野本選手に千葉ロッテ、中日が競合し中日が獲得。東北楽天と阪神は外れ1位の入札で、NTT西日本の左腕・藤原投手を指名。抽選に外れた阪神は奈良産大の蕭投手を指名した。
大田選手のプロ表明が10月15日、ドラフトまで2週間では、各球団とも指名あいさつ、志望確認や方針転換の時間が無く、結果的に2球団となったが、選手としては昨年の中田選手くらいの競合があってもおかしくない選手であったと思う。
そして同じく読売を志望していた長野選手は千葉ロッテが2位で指名をした。長野選手は再びドラフト制度により希望を阻まれる格好となった。バレンタイン監督がドラフト当日に長野選手を訪問したが姿を現すことはなく、再び拒否かという報道もあったが、長野選手も大学時代とは気持ちも強くなっている。今後も千葉ロッテとの交渉の席には着きそうで、交渉次第でプロ入りをする可能性がある。
主役不在の混迷したドラフトはこうして幕を閉じた。
ドラフトは今年も問題を投げかけてくれた。
まずは、ドラフトの注目候補でアマチュアから直接メジャーに進む選手がついに現われたという事。これについては先に述べたように、プロ側から、「NPBへの復帰を制限するルール」が発表されているが、アマチュア協会やプロ選手会が反対を表明しており、問題の解決には当分時間がかかるだろう。そして田沢投手へさかのぼってルールを適用するという、滅茶苦茶なやり方も大いに注目される。NPBによる自信過剰なエゴというべきもので内弁慶であることはなはだしい。もっと前向きな話し合いができないのか非常に疑問に思うとともに、このNPBの行動が今後の野球少年たちに影響を与えはしないかと懸念する。
次は抽選ドラフトでも起こりうる逆指名と、入団拒否や進学によるアマチュア選手のプロ拒否である。
多くの有望選手が進学などでプロ入りをしなかった。また、大田選手や長野選手のように特定球団逆指名は抽選ドラフトでも起こるのは変わらない。高校生は逆指名球団を口にしてはいけないと言っても、周りが言うのであれば意味は無い。
まず逆指名については、本人の希望が全く通らないのはおかしいと思うので仕方ないだろうが、これによりプロで活躍すべき選手の姿を見られないのはさみしい。FAの期間がどんどん短縮されているが、この制度がドラフトに影響しているのか疑問を感じる。
そして、一番大きな問題と思うのは、有望選手が進学を選択した事。読売の山口投手が育成枠から新人王に輝くなど育成枠が機能をし始めたが、逆の流れも現われているようである。「プロで活躍する自身が無い」「まだ体ができていない」という理由が多いようだ。
アマチュアで噂されているのは、「ドラフト上位で指名されなければ使ってもらう機会が少ない」という事だ。そして使われる機会がつくなけければ、5年もたたずに解雇されてしまう。高校からプロ入りすると学歴的にもその後が厳しい。これに対する方法としては、
・ファーム組織の拡充、育成大会の拡充による試合機会の拡充
・ファーム選手の移籍機会を増やす
・進学との連携
であろう。
ファーム組織を拡充し、「まだ見てみたいが枠の問題で解雇する」選手を少なくする事。そしてファームの試合数やファームの特別の大会、アマチュア大会への参加により試合機会を増やす事で、選手のアピールの場を増やすことが狙いである。
またアメリカのようにファームにいる選手のドラフトなど、可能性の持った選手を生かす制度が必要である。
最後に進学との連携。これは以前にも掲示板に書いた事だが、大学などと提携しプロに在籍しながら大学卒業ができる、または大学に在籍しながらプロの試合に出場できるようにするものである。サッカーでは可能だ。高校生でプロ入りした選手が昼はプロで練習や試合をし、夜は大学に通う。そして試合はプロの試合に出場もできるし、大学生としてアマチュアの大会にも出場できる。学歴面でも試合機会の面でも良い方向だろう。
日本ではプロアマの壁、特に学生野球とプロ野球の壁が高いので厳しいだろう。
1992年から逆指名制度が始まり、2005年から高校生と大学社会人が分離されたドラフト。逆指名(自由枠)は2006年で終わり、今年はドラフトが再び統合された。統合ドラフトで1位抽選は1991年以来17年ぶりとなる。一番しっくりくる形になった気がする。
92年からのセリーグパリーグの順位を見ると
セリーグ
92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 00 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 |
YS | YS | G | YS | G | YS | YB | D | G | YS | G | T | D | T | D | G | G |
TG | D | D | C | D | YB | D | G | D | G | YS | D | YS | D | T | D | T |
TG | G | C | G | C | C | G | YB | YB | YB | D | GYS | G | YB | YS | T | D |
C | T | YST | YB | YS | G | YS | YS | YS | C | T | GYS | T | YS | G | YB | C |
YB | YB | YST | D | YB | T | C | C | C | D | C | C | C | G | YB | C | YS |
D | C | YB | T | T | D | T | T | T | T | YB | YB | YB | C | C | YS | YB |
パリーグ
92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 00 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 |
L | L | L | BW | BW | L | L | H | H | BU | L | H | L | M | F | F | L |
BU | F | BW | M | F | BW | F | L | L | H | HBU | L | H | H | H | M | BU |
BW | BW | BU | L | L | BU | BWH | BW | F | L | HBU | BU | F | L | L | H | F |
H | BU | H | F | BU | FH | BWH | M | BW | BW | M | M | M | BU | M | E | M |
F | M | FM | H | M | FH | BU | F | M | M | F | F | BU | F | BU | L | E |
M | H | F | BU | H | M | M | BU | F | F | BW | BW | BW | E | E | BU | H |
FAやトレード、外国人補強もあるので、ドラフトがすべてという事ではないが、セリーグでは最初ヤクルトと横浜が逆指名枠をうまく使い始め、その後阪神と中日がドラフト戦略成功、そして近年は読売がドラフト巧者として伸びてきた感じか。広島は一貫して厳しいドラフトとなり、横浜、ヤクルトは他球団に押されるように、また自由枠に縛られすぎたドラフトにより後年は成績が後退している。
パリーグではホークスがまず上昇し、そのあと千葉ロッテ、北海道日本ハムが台頭した。オリックスは当初自由枠に翻弄されていたが、近年頭角を現している。ホークスは即戦力投手志向が強まり近年は自由枠で獲得した選手が活躍しないと、成績も下がってしまうという自転車操業的な状態に陥ってしまった。
この、「ドラフト自由枠がもたらしたもの」については、今後分析を行います。
ドラフトホームページもリニューアルして3年目となり、各コンテンツが定着・安定してきたような気もしますが、まだまだできることは多く、2009年は皆様喜ばれるようなものを提供するべく現在開発を進めています。
ずばり2009年は「データ重視」。あいまいさをいかに定量化し評価できるようになるのか、大学での研究と絡めて進めてまいりたいと思っています。ご期待ください。
今年1年間、さまざまな意見やコメントをいただき、本当にありがとうございました。いろいろお楽しみいただける事をやってゆきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします!
そして今年も、いろいろと私たちに夢と楽しさを提供してくれた、ドラフト候補として名前が挙がった選手達に、
ドラフトに指名され、プロ野球に入る選手の皆様! おめでとうございます!
ただし私たちが見ている夢は、皆様がプロで活躍する姿です。
皆様がプロで活躍し、皆様が見ていた同じ夢を、今度は将来のプロ野球選手に与えてくれることを期待しています!
ドラフトに指名されなかった皆様、数年後みなさんの名前がもっと大きくなって、このドラフトホームページに掲載することを願い、候補選手のページにスペースを空けて待っています!
すでに明治神宮大会が終わり、各地のドラフト候補たちが姿を見せています。来年は誰がドラフトの主役となるのでしょう。
そして、プロ野球はドラフトに残っている問題にどんな答えを出すのだろう。
いろんな興味や期待を持ちながら、2008年ドラフトホームページを終了いたします。
また、来年1年間、みんなで楽しみましょう!
2008年11月23日 ドラフトホームページ yuki